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2008年2月12日 (火)

高学歴ワーキングプア

 まぁ、晴れ、というところでしょうか。少し、冷たい風が吹いています。定期試験期間中ということもあり、今日も監督者として試験に立ち会いました。

 この週末に大学業界で少し話題になっている水月昭道『高学歴ワーキングプア:「フリーター生産工場」としての大学院』(光文社新書、2007年)を読みました。

 読み終えての感想は、とにかく文章がきれいで読みやすい、というものです。内容も、「高学歴……」となるかもしれないところに身を置いている著者が、誠実な取材のもとで書き上げているので、現状を性格に記述したものになっていると思います。とにかくよく書けていると思うので、わたしの言葉ではなく、著者自身の言葉で、この本の結論を示すとすれば、以下のようになると思います。

 「高学歴ワーキングプアたちは、大学市場全体の成長後退期と、無謀にもそれに抗おうとした既得権維持の目論見の間に生じた歪みに産み落とされた、因果な落とし子だったのである」(168頁)。

 大学院とくに博士課程進学者がみな「高学歴……」になったわけではありません。ただ、大学にポストを得ることが難しくなっている状況は、なによりも数字が示しています(5割程度というところでしょうか。もちろん、分野によりますが)。また、今後は大学倒産が予想され、「高学歴……」が「中途生産」される(126頁)とあります。背筋が凍る思いです。

 本当に人ごとではありません。ただ、想像力のないわたしにできるのは、いまの置かれた状況のなかで、精一杯職務に励むことだけです。

 それにしても、大学に席を置く学生の数は18歳人口がピークに達した平成4年(1992年)よりも、大学院重点化で大学院生が激増している現在の方が多いというのですから、文部省(現文科省)の政策と大学経営者の思惑が妙にマッチしたものだと思いました。また、身につまされるお話しも収録されていて、少しブルーになりました。わたしは指導教官に恵まれ、運も良かったのでしょう。

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