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2008年3月19日 (水)

妻と私 幼年時代

 雨が降り続いています。

 江藤 淳『妻と私 幼年時代』(文春文庫、2001年)を読みました。

 「妻と私」は、末期癌で病床に臥した妻を看護した江藤の看護日記です。子どもがいないながらも、だからこそ、深い絆で結ばれていた夫婦に突然訪れた不幸。臨場感あふれる筆致で描かれています。とくに病名の告知に対する責任を一方的に家族側に負わすことについて論じた部分に目がとまりました。引用します。

 「しかし、その医者は、当の本人には『脳内出血』だといっているのだ。そして、家族には本当の病名を告げて、家族からそれを患者に『告知』せよという。あからさまにそういうわけではないが、どうせ助からないのだから、観念して『告知』したほうが、結局お互いのためだというニュアンスは否定できない。/これは患者にとってはもちろん、家族にとっても残酷きわまる方法ではないか。しかも、『告知』の責任だけを負わせて、患者を救うことのできない家族にいたっては、あまりに惨めというほかないではないか。……/いくら現代の流行であるにせよ、このからくりには容易に同調できない。現に家内は何も知らずに、あんなに安らかな寝息を立てて眠っているではないか。……」(28頁)。

 「幼年時代」は江藤の絶筆となりました。4歳のときに生母を亡くしている江藤の回顧記の続きをもう少し読みたいとも思いますが、それは叶わぬ願いです。

 江藤の本を読み終えて感傷に浸っていたら、学部長先生が研究室に来られて、来年度の学内委員会について、わたしへの配役を告げて行かれました。ぐうのねも出ませんでした。

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