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2008年5月 3日 (土)

憲法はまだか

 またまたよく晴れています。暑い、暑い。

 憲法記念日ということで、例年通り、憲法に関するものを読みました。といっても、今年はとくに用意していなかったので、本棚にあった、ジェームス三木『憲法はまだか』(角川文庫、2007年)を読みました。

 これはもう10年以上前になると思いますが、NHKで放送された同名の番組の原作です。この作品の主人公は、一応、憲法でしょうが、憲法改正担当国務大臣・松本ジョージ(漢字が出ない)がもう一人の主人公だといえると思います。その役を津川雅彦さんが演じていて、そのコミカルな感じがGHQに主導権を握られ翻弄される日本そのもののように思えたことが印象に残っています。

 新憲法は当初日本側が草案作成作業にあたっていたのですが、昭和21(1946)年2月1日に新憲法の基となる「憲法問題調査委員会の試案」が毎日新聞にスクープされます。その保守的内容に否定的評価を下したGHQは、自らの手で、日本の憲法を作ろうとします。

 連合国軍総司令部(GHQ、司令官はダクラス・マッカーサー元帥)の民政局長ホイットニー准将が昭和21年2月4日午前10時に、20数名の民政局行政部員を前に、以下のように述べます(『憲法はまだか』147頁)。

 「紳士淑女諸君。突然ではあるが、もし週末にパーティーやデイトの約束があれば、ただちに取り消さなければならない」

 「なぜならば、我々はこれから、憲法制定会議を始めるからだ」

 「これから一週間、民政局は全力を挙げて、憲法草案の作成に取りかかる。マッカーサー元帥は、日本国民のために、新しい憲法を作成せよと、特別命令を下された」

 日本国憲法の草案は、この後、9日間で書き上げられたことは有名な話です。

 ジェームス三木さんは、「『日本国憲法』に関わった人々を、記録の隙間から、人間として立ち上がらせ、心臓に鼓動を与え、呼吸をさせ、感情と性格を蘇らせたい」(422頁)との思いから、この本を書かれたそうです。新憲法作成作業の舞台裏をテンポよく描いたこの作品は、読み応えのある本でした。

 このとき民政局のスタッフとして「日本国憲法に男女平等を書いた女性」として有名なベアテ・シロタ・ゴードンさんが、4月29日に札幌市立大学で講演をされたそうです。

ベアテ・シロタ・ゴードンさんの講演

 彼女の自伝は邦訳されています。ベアテ・シロタ・ゴードン『1945年のクリスマス:日本国憲法に『男女平等』を書いた女性の自伝』(平岡磨紀子訳、柏書房、1995年)。また、GHQ民政局による9日間での新憲法作成作業については、鈴木昭典『日本国憲法を生んだ密室の九日間』(創元社、1995年)も参照してください。

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