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2008年6月24日 (火)

ロイヤー・ジョーク

 雨。でも学校はあります。

 講義前に少し時間があったので、判例時報2000号の巻頭に掲載されていた、W・オーバートンのUCLA Law Reviewに掲載された論文を水戸英語文献輪読会が紹介している「社会的テクストとしてのロイヤー・ジョーク」を読みました。

 水戸英語文献輪読会による「はじめに」にあるように、オーバートンの論文は「アメリカにおける弁護士に関する有名なジョークを分析し、その背景にある動機を明らかにすることを目的としている」ようです。ただ、ここでは堅苦しい分析は抜きにして、面白かったジョークを2、3引用します。判例時報は図書館、資料室等で簡単に読めるので、興味のある方は、2000号(とくに記念号ではないよう)を手に取ってみてください。

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 まず、弁護士はお金に取り憑かれていることを示したジョークとして(5頁)。

 ある人が弁護士に費用を尋ねると、3つの質問に対して150ドルであると言われた。

 「それはあまりに法外に高いのではありませんか。」彼は尋ねた。

 弁護士は、「そのとおりです。」と答え、「では、3つ目の質問は何ですか?」と言った。

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 弁護士の意見はときに詳細な部分に囚われすぎていて重要な問題を無視した的はずれなことがあることを示したジョーク(6頁)。

 熱気球がしぼみはじめ、軌道が外れた。乗員は、地上3フィートほどのところをゆっくり操縦していた。

 「私は今どこにいるのでしょうか?」彼は偶然通りかかった人を呼び止めた。通行人は答えた。「あなたは熱気球の中にいますよ。地上3フィートほどのところです。北に向かっています。」

 「あなたは弁護士に違いない。」乗員は言った。「なぜならあなたが言ったことは非常に明瞭で、大変に正確で、まったく役に立たないからだ。」

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 どうでしょうか、面白そうでしょう。最後にもうひとつ(10頁)。

 Q 弁護士が嘘をついているとき、どのようにしてそれが分かりますか?

 A 唇が動きます。

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コメント

橋下知事の住民投票発言の記事でコメントを寄せさせていただいたPALCOMです。橋下知事も、財政再建のために孤軍奮闘されているようです。

さて、唐突ですが、裁判員制度に関する下記の違憲論は成り立つでしょうか?どうも、専門家の議論は抽象的で分かりにくいように思ったので、自分なりに考えてみました。

(1)裁判員は、公務を行う者である
    ↓
 (2)公務を行う者は、全体の奉仕者である(憲法15条2項)
    ↓
 (3)裁判員になる義務は、全体への奉仕義務である
    ↓
 (4)全体への奉仕義務は、現行憲法下では完全に否定されている(憲法13条)
    ↓よって
 (5)裁判員になる義務を肯定する裁判員制度は違憲である

 PALCOMさんお久しぶりです。その後も憲法を勉強されているようで、学生に爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいです。
 さて、裁判員制度に対するPALCOMさんの違憲論ですが、わたしは以下のような理由により、PALCOMさんの議論は成立しないように思います。ただ、あくまでも私見ですので、PALCOMさんもわたしの見解の成否を検討してみてください。
 まず、憲法15条2項の「全体の奉仕者」という規定ですが、これは一般職公務員の憲法上の権利(とくに政治活動の自由と労働基本権)を制限する根拠として、考えられてきました(もっとも公務員の権利を制限する根拠は、憲法自体が公務員制度および公務員の勤務関係を予定していることに求める見解もあります。これについては措いておきます)。そう考えると、15条2項の適用を受ける者は、憲法上の権利の保障の程度が低下すると思われます。となると仮にPALCOMさんの議論にあるように、裁判員となることが15条2項の適用を受ける地位になることであるとすると(PALCOMさんの(1)と(2))、憲法13条上の権利の保障も相対化することになります。13条は、なによりも一般市民の地位にある者の権利を保障した規定なのです。そうすると、PALCOMさんのいう(4)のところが成立しがたくなるように思います。
 もっとも15条2項の適用を受ける者に13条の保護がまったくないかというとそうではありません。必要以上の権利制限は、やはり13条違反を問えると思います。
 そこで裁判員になることで制限される13条上の権利ですが、各人は幸福追求権のひとつとして「ライフ・スタイルの自由」をもっています。仮に裁判員制度、裁判員法がこの自由を必要な範囲を超えて過度に制限するものであれば、13条違反にあたるというPALCOMさんの違憲論が成立すると思います。そこで、裁判員法をみると、法16条には裁判員を辞退できる理由が掲げられ、また、政令では、各自のライフ・スタイルに配慮して辞退できる運用を創設するように報道されています。このように考えると、裁判員制度は、一般市民の憲法上の権利(ライフ・スタイルの自由)に対する制約ではあるけれど、違憲の制約、すなわち憲法上の権利の侵害にはあたらないと思います。
 PALCOMさんのような議論枠組みはいままでの違憲論にない新しい視点から述べられていると思うので、わたしの見解の成立も覚束ないところです。いかがでしょうか。

お返事本当にありがとうございました。

裁判員制度の合憲性については、国民主権原理の立場から合憲又は違憲説が主張されているようですが、国民主権原理の捉え方で、合憲・違憲の結論が決まってしまうようなので、合憲又は違憲説いずれに立とうとも、決定打にならないような気がしておりました。

そもそも、現行憲法上、公務を国民に強制することができるのかどうかという観点で考えてみました。

ご指摘いただいた点を参考にして、再検討してみたいと思います。議論していただける方がいると、本当に助かります。ありがとうございます。

もっとも、実際に制度が始まってみれば、国民からの反対が大きく、制度が破綻するような可能性が大きいように思いますが・・・。

全体の奉仕者論を前提にすると、下記のようになると理解しました。

市民の権利:「公共の福祉」による最小限度の制約を受ける

公務員の権利:「全体の奉仕者」として公共の福祉」による最小限度の制約を上回る制約を受ける

つまり、国民が公務を遂行しなければならない立場に置かれた場合、権利の制約の程度が著しく大きくなることになります。

とすると、国民の意に反して公務を強制することを認めるならば、法律で公務を強制することによって、国民が本来享受していた憲法上の権利を制約することが可能になるのではないでしょうか?

思考の順序としては、そもそも、国民の意に反して公務を強制することができるかどうか(公務の強制そのものが13条違反に該当しないか)を検討すべきであるように思いました。


 裁判員制度の問題は、民主制の下での公正な刑事裁判の遂行をどのように考え、実施していくのかという点からも考察する必要があると思います。「裁判員法」は、この点に関する国会による制度設計とも考えられるからです。
 公正な刑事裁判の実施は憲法上重要な価値であると考えられており、だからこそ、刑事訴訟法では、証人である一般市民に対して、証言義務等を課しています。この枠組みを下敷きに考えると、「裁判員法」は民主制下における公正な刑事裁判の実施のために国民に裁判員となる義務を課しているので、たしかに国民の憲法上の権利を制約してはいますが、この制度自体が憲法違反であるとはいえないと思います。
 ただ、個別具体的な問題は、制度自体の合憲性とは別個に考えなければならないと思います。来年以降の実際の適用の場面では、特定の場合には裁判員法上の義務を免除すべきであったのに適用したというような、いわゆる適用違憲の場面も発生は考えられるのではないでしょうか。

ご教示ありがとうございます。いただいたコメントを基にして、少し考えてみました。

民主制の下での公正な刑事裁判の遂行をどのように考え、「裁判員法」は、この点に関する国会による制度設計とも考えられるということは、政策論として、「裁判員法」もOKということだと思います。

ただ、政策論の前段階として、法的な許容性というものが必要なはずですので、裁判員法の根本的な原理が、憲法の根本的な原理と相容れない場合には、制度そのものが無効ということになるのではないでしょうか?

裁判員になる義務は、主権者としての国民に課せられる義務という点で、これまでの義務とは異なるように思います。憲法改正や法的拘束力のある国民投票を経ずして、最高権力者である主権者としての国民に、立法府が義務を課することは許容されるのでしょうか?法律論としてはともかく、一国民としての素朴な感情として、そこまで受権した覚えはないというのが率直な気持ちです。

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