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2008年9月29日 (月)

平等ゲーム

 本格的な雨の一日です。

 英文を少し読んで、締切の近い原稿に少し手をいれて、あとは読書です。今日の本は、『県庁の星』の作者・桂望実さんの最新作『平等ゲーム』(幻冬舎、2008年)です。

 ひと言でいってこの本、面白かったです。一気に読み終えました。

 社会科学的に興味があり購入したのですが、小説として面白い作品でした。場面は、仕事は4年ごとに抽選で割り当てられ交代する、収入は島民に平等に分配される、すべては島民の投票で決定する、そんな「理想社会」。このような社会ははたしてパラダイス、ユートピアなのでしょうか。

 そのなかで生まれ育った主人公の芦田耕太郎。彼には嫉妬心や向上心のようなものに欠けているようです。でもふとしたことから彼の描いたスケッチが認められ、仕事(どんな仕事かは本を読んでください)で乗船した客船で、肖像画を作成を依頼されます。その依頼者に喜んでもらうことで達成感を感じ、絵の先生に無断で応募されたコンテストに落選することで嫉妬心のようなものを感じます。嫉妬心という人間らしい感情を記述することは難しいと思うのですが、ゴタゴタと書き連ねるのではなく、さらりと扱っているところが、またこの小説の良さだと思います。

 さて、気になるのは、すべてが平等というあの「理想社会」の行く末でしょう。が、この辺も読んでもらうしかありません。

 この本は、場面展開の鮮やかさ、登場する人物像の巧みさ、その言葉の趣深さなとが相俟って、よくできた小説だと思います。もちろん素人評にすぎませんが、作者の力量の豊かさを感じる小説でした。

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