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2008年12月

2008年12月30日 (火)

反貧困

 仕事納めをしつつ、読書もしました。

 読んだ本は、湯浅 誠さんの『反貧困』(岩波新書、2008年)です。

 あるときの昼食時、この本が話題となり、そういえば生協にあったなぁ~、と思って購入しておいたものです。このところ湯浅さんがTVによく映っているので、読んでおこうと思いました。ちなみにこの本は、今年の大佛次郎論壇賞を受賞されました。(「だいぶつ」ではなく「おさらぎ・じろう」と読みます。念のため)。

 またまた内容は読んでもらうことにして、わたしが一番関心をもったのは、生活保護費のことです。生活保護費が上がるとか下がるとかいうことは、当該保護を受けている人には関係するけれども、その他の多くの人には関係ない(そして、いまのところわたしにも関係ない)と思っていました。ところが違うのですね。恥ずかしながら、知りませんでした。『反貧困』には、他のものから引用するかたちで、つぎのようにあります。

 「たとえば、就学援助。2005年で公立小中学校に通う子どもたちの13%に当たる138万人が受けている就学援助は、多くの自治体で受給資格を「収入が生活保護基準の1.3倍まで」という形で設定している。また、地方税の非課税基準も「生活保護基準を下回らないように設定されることが法律上明記されている」。(中略。原文改行)「生活保護基準が下がれば、連動して住民税非課税基準額が下がることは確実である。(中略)住民税非課税を施策の対象者としている福祉施策は広範に存在するし、非課税が課税になれば、税制転用方式、たとえば地方税の課税額によって利用料や負担金を決めいているすべての制度、すなわち国民健康保険料や保育料、介護保険料などが上昇する。ここでも広範な影響・被害が発生する」(188-189頁。算用数字に改めました)。

 (引用元は、吉永純「生活保護基準切り下げは、国民生活に重大な影響」『法と民主主義』424号(2007年)です。あまり手にしない雑誌なので、勉強になりました)。

 生活保護基準の引き下げは、国民生活の多くの場面で、影響があるのですね。また、湯浅さんは、そもそもこの「最低生活費としての生活保護基準」が一体いくらなのか、国民があまりにも知らなさ過ぎている、ともいいます。この「最低保護費としての生活保護基準」は、住んでいる場所や家族構成によっても異なるのですが、たしかにこれを知っている人は少ないのでは、と思います。またまた恥ずかしながら、わたしも知りません。そこで、この簡易計算ができる、湯浅さんが事務局長をしている「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」のHPで計算してみたところ、わが家の生活保護費は165,110円でした。やっぱり、少ないですよね。

 ただ、このHPにあるように、これが「国が憲法25条にもとづいて保障している金額です」。この言葉、重い言葉に響きました。

 この年の暮れは、非正規雇用の方の雇用・生活の問題が、連日連夜、報道されています。新卒者の雇用も、厳しくなりそうです。みさなんにとって(そしてわが家にとっても)来る年がよいものであるとよいのですが。

仕事納め。

 曇ってはいますが、ときおり陽も差しています。

 先週は体調不良で仕事にならなかったので、昨日と今日、出勤し、本年の仕事を納めました。

Cimg1865  昨日は、再版される『現代憲法概論』(嵯峨野書院刊)の担当部分の校正を行いました。わたしが担当した部分は、基本権の総論部分と、国民の義務に関する章です。これから納入予定のある方は(いる~?)、再版が出版されてからにしてください。

 今日は、法律文化社からつぎの春までには出版される『高校から大学への憲法』の担当部分の校正をしました。わたしが担当した部分は、国民主権に関する章です。

 この2つの仕事は年明け早々に締め切りがあるので、これで安心して新年を迎えることができます。

2008年12月25日 (木)

業務連絡。

 晴れてきました。

 家にこもって年賀状を書いています。ブログのネタがありません。そこで業務連絡!

 HPの美術館のページに新しい画像を2枚、追加しました。(12月28日にも1画像追加しました。雪だるまさんです)。

 わたしのHP

2008年12月24日 (水)

昭和史 戦後篇

 曇り、のち、小雨。ホワイトクリスマスにはならず(それは、ちょっと無理か)。

 年賀状書きにも少し飽きたので、読みかけていた半藤一利『昭和史 戦後篇』(平凡社、2006年)を読みました。

 戦後の昭和史を一気に読めるので、お薦めの一冊です。内容は読んでもらうことにして、わたしの注目したところを書き留めておきます。

 まず、言論活動を暴力で封じ込めようとすることが時に起こっていますが、半藤さんは「暴力のもとにジャーナリズムは必ずしも強くない」(478頁)と言います。そうだろうと思います。ジャーナリストだって人の子。強がってばかりはいられないでしょう。また、時流に沿わざるをえないこともあるのでしょう。半藤さんは、つぎのように言います。「戦前、軍の暴力のもとにジャーナリズムがまったく弱かったのと同様で、それは残念ながら、しっかりと認識しておかなくてはいけません。表現の自由を断固たる態度で守らなければならないというのはその通りですが、断固たる態度を必ずしもとれないところがジャーナリズムにはある・・・」(同頁)と続けています。

 それから、戦後の法制度改正の面で、「民法を変えさせたのは日本の国柄が変わるのに非常に大きな影響を与え、それはいい影響ばかりではなく悪い影響もたくさんあったのではないか」(536頁)とありました。これはGHQの指令を受けての民主的また平等主義のもとでの新民法のことをいうのでしょうが、ちょっとピンときません。ここで言われている「国柄」とは、必ずしも Constitution と同義ではないかもしれませんが、ちょっと気になる記述です。“新民法の制定と新憲法のもとでの国制”というのは、重要な研究テーマかもしれません。

 最後に、昨日は今上天皇の誕生日で、75歳になられたようです。そのことと関連して目についたのが、昭和天皇が亡くなられた年(1989年、平成元年)の12月29日に、戦後一貫して軽軍備のもとで経済大国を目指してきた日本が「最高に輝ける日を迎え」たとあります(551頁)。東京証券取引所の平均株価が38,915円の最高値を記録したのが、この日のようです。半藤さんは「もう永遠に出てこないであろう史上最高値です」と言い切っています。昨今の経済状況、非正規雇用の問題を想起するまでもなく、この平成20年間はなんだったのかなぁ~、と物思いにふけった読後感でした。

 インフルエンザの方は、タミフルのおかげで、驚異の回復を見せています。

2008年12月23日 (火)

A型でした。

 曇りのち晴れ、というところでしょうか。

 先週末にどうも風邪をひいたらしく寝込み、月曜日に行きつけの内科で診察してもらったら、インフルエンザ(A型)と診断されました。えっ、「ちくっ」と予防接種までしたのに・・・。予防接種は100%ではないそうです(勤務校で格安で接種したので、うすかったのでしょうか・・・)。タミフルを服用しもう熱は下がったのですが、今週中は自宅謹慎(ではなく、自宅待機)というところでしょうか。

 不幸中の幸いというか、自宅から出られなくなったおかげで、ようやく年賀状を準備する時間ができました。

2008年12月18日 (木)

今日はスーパー Thursday ?

 本日は、穏やかな曇り模様です。

 昨日は、所属学部の忘年会がありました。ライトアップされた熊本城がバッチリ見える熊本市役所14階「ダイニングカフェ 彩」で盛大に挙行されました(なんて・・・、部長がお休みだったので、若干、盛り上がりに欠けたような・・・)。

 それでも日頃はお話しできない方とお話しできたりで、楽しい時間でした。話の内容は、子どものこととか、沈みゆく大学業界のこととか、多岐にわたっていました。それと、うまい金もうけの話とか、愛人の話とか・・・(ウソです)。

 ところで、今日は、6年に1度の学長選考意向調査の日です。わたしは開票立会人なので、昼前には本部に行かなければなりません(開票作業は投票後なのに、なぜ投票開始前に本部に詰めなければならないのか、ちょっと不思議ですが・・・)。まぁ、いいでしょう。なんせ6年に一度のお祭りですから・・・・。

 そんなに盛り上がっているわけありませんよね。静かなものです。それでもドキドキされている方もおられるのでしょうね。わたしも折角だから、出口調査でもしようかなぁ~(本部詰めだから、それもできないか)。

 ただ大学にとって重要な日ですよね。よい人に決まることをお祈りいたします。

2008年12月17日 (水)

師も走るという。

 晴れています。気温も高めです。

 師走は本当に忙しいですね。本日も提出書類の作成や教務に関することの連絡やお願い等をしている間に、午前中が終わりました。午後は、会議を2つこなした後、所属するファカルティの忘年会があります。少し風邪気味でのどが痛いので、アルコール消毒を施そうかと思います。

 明日は勤務校の学長選考に関する投票(国立大学法人では、近時、この投票を意向調査というようです。)があり、わたしはその委員なので、なにか仕事があります(具体的な仕事内容は、忘れてしまいました。明日になったら確認します)。明後日は、外部の審議会に参加し、週末は研究会のためQ大に行きます。

 わたし、日常的にもよく走っているのですが(ダイエットのため)、最近は「師も走る」という忙しさを体感しています(ちなみに、この師は、ご存じのように、学校の先生ではなく、お坊さんのことですよね)。

 【御礼】岩波書店さまから『岩波 セレクト六法』(平成21年版)をいただきました。ありがとうございました。

2008年12月15日 (月)

国籍法違憲訴訟

 晴れました。研究室のある建物の耐震補強工事が進んでいて、ちょっと、勉強する環境ではなくなっています。

 そんななか、本日の大学院演習の準備として、ジュリスト1366号(2008年11月1日号)の特集2「国籍法違憲訴訟最高裁大法廷判決」を読みました。

 お題は、生後認知子の国籍取得要件として準正要件を課している国籍法3条1項の規定が憲法14条1項に違反するとされた、平成20年6月4日の最高裁大法廷判決の分析です。この事例については、すでに多くの評釈が存在し、また、各地の研究会でも報告されていましたので、ジュリストは、確認の意味で読みました。

 ジュリストには、憲法学者×国際法学者×民法学者による座談会と(座談会という「自由さ」ゆえ、ウォッと感じる発言もあります)、憲法学者、国際私法学者、それに前最高裁調査官による評釈が掲載されています。

 このなかで、管見の限りではその他の評釈では触れられてはいなくて、わたしが気になっていた、下記の2点について取り上げていた前最高裁調査官の手による評釈が目に留まりました。その2点というのは、つぎのものです。

 ①国籍取得について父系血統主義を採用していた昭和59年改正前国籍法下での国籍確認請求について、それを退けた東京高裁昭和57・6・23判時1045号78頁と本件の整合性。

 ②最1判平成14・1・31民集56巻1号246頁が、児童扶養手当法施行令1条の2第3号の「母が婚姻(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)によらないで懐胎した児童(父から認知された児童を除く。)」という規定のうち「(父から認知された児童を除く。)」という部分について違法無効であると判断し、児童扶養手当受給資格喪失処分を取り消した思考法と本件思考法(とくに原告救済手法に関する)の関係。

 今学期のわたしの大学院演習を受講している方は、比較的勉強時間の融通のきく方のようで、よく勉強されてきているので、どのような視点から本件を分析するのか楽しみです。

 あと数時間、諸雑務をこなしつつ、講義時間を待つことにします。

2008年12月12日 (金)

 温かな一日です。そろそろ忘年会シーズンでしょうか。

 わたしも昨日は、本年はじめての忘年会でした。共済組合員になってはじめて、KKRを利用させていただきました。KKR熊本ホテル

 熊本城がライトアップされていて、少し癒されました。

 ことろで、今年の世相を表す漢字が「変」になりましたね。そういえばそうかなぁ~と思います。昨日はわが家で妻と少し予想などしたのですが、その時は「切」とか「混」を予想していました。「切」は最近のことで今年の~という要件を満たしていないかもしれませんね。事故米や不純物の混入をイメージした「混」も、世相を表すというより、特定の大事件を念頭においたものかもしれません。わたし、密かに「苦」を本命と思っていたのですが・・・。やっぱり当てるのは難しいですね。

 「変」。みなさんのイメージとマッチしていますか。年内に総選挙が行われていれば、よりチェンジがマッチしたかもしれませんね。

 温かい天候で年の瀬感がありませんが、そろそろ年賀状の心配をしないといけませんね。それこそ「苦」にならないように。

2008年12月 8日 (月)

母校へ学会出張。

 寒いですね。先週末土曜日には、雪が降ったようです。

 「~ようです」というのも、先週末は、学会出張のために勤務地を離れ、母校に行っていました。5年ぶりぐらいに訪ねた母校は、少しだけ、変わっていました(もっとも、大学の周りは相変わらずでしたが・・・)。

 変わったところは、なんといっても大学内にカフェができていたことです。

Cimg1791 Cimg1792

 わたしが在籍していた頃は、まだこの辺は空き地で、ときに駐車スペースとしても利用されていました。このカフェで、夜の親睦会を行い、朝食もいただきました(豪華さこそ違えども、出てきたものは、予想通り同じようなものでしたが・・・)。

 わたしが助手(なんか、懐かしい響きですが・・・)として勤務していた頃に地元有力企業からの寄付をもとに建設されたホールも近くにあり、ここだけみると、プチ私学のようなアーバンな感じでした。

Cimg1790  ちなみに、このホール「サタケ・メモリアル・ホール」といいます。わたしたちは、当時の学長の趣味にちなんで「オペラ・ハウス」と呼んできます。このホール建設の際に助手だったわたしも、賞与の一部を「自発的に寄付」しました(法学部の事務に呼ばれたときには、領収書が用意されていました)。

 宿泊もこのホールの裏にある学士会館でできるので、わたしが在籍していた頃に比べると、大学施設も随分と整備されたと思います。

 おっと、学会出張というのに、勉強の話は全然していませんね。ただ講義の時間が迫っているので、今日はこの辺で・・・。

2008年12月 3日 (水)

プライバシー権

 暖かい一日になっています。久し振りに「お勉強」カテゴリーでの投稿です。

 大学院時代の指導教官から出版社に投稿する前の原稿を読ませてもらいました。「批判や校正を・・・」ということでしたが、校正はできても、批判をするような能力がわたしにはまだ備わっていません。というわけで、今回も、もっぱら勉強させていただきました。

 先生の論文は、プライバシー権を second-order の権利であると捉えているアメリカの諸説を引証して、プライバシー権を人格権的権益であると捉えるわが国の通説的見解の特異さを説くものでした。わが国における通説的見解というのは「自己情報コントロール権」(情報プライバシー権)として、プライバシー権を理解する見解です。

 たしかに、誰もが知りうる情報や public domain である情報まで、情報主体が支配すべきだ(個人情報の開示については情報主体の同意が不可欠である)とする、昨今のわが国での個人情報の取り扱い方には、一種の異様なものがあると思います。

 また、自分が他人からよく思われたいとの意図から、自分のイメージを壊すような情報を秘匿したいという気持ちもわかりますが、それは自分を粉飾して対人的コミュニケーションに従事していることと同じだと思われます。(もしこのブログをお読みの方が、わたしについて優しく穏やかな人だと感じたなら、わたしは本来の邪悪さを粉飾することに成功していることになります。どなたかが本当のわたしの有様を公表して、この粉飾を取り払うまでは・・・)。

 別稿で、プライバシー権を第1級の基本権として保護しようとしていることが、生活のさまざまな場面で不完全情報状態をもたらしており、そのことが交渉コストや取引コストを高めてしまうことも書かれていました。(経済学者G・スティグラーを参照しつつ、仮に雇用者が就職希望者の個人情報を不十分にしかもたなかったら、雇用者はきっと試用期間を長くとったり勤務状況を厳しく監視するであろうとか、被用者の犯罪傾向が不明確なときには、転職の回数を重視することになるであろうと)。

 久しぶりにアカデミックな一日になるかと思いきや、午後からは会議の連続です。勉強と会議、まぁ、どっちもこのよい天気の日に似つかわしくないことかもしれませんが・・・。

2008年12月 1日 (月)

ディジタル著作権

 陽が差しています。よい天気となるでしょう。

 もう12月になってしまいました。早いもので、今年もあと1か月。どうしますか皆様。

 この週末には勤務校で推薦入試が実施されました。そういえば、センター試験まで、あと1か月半ぐらいしかありませんね。

 気ぜわしい中、名和小太郎『ディジタル著作権:二重基準の時代へ』(みすず書房、2004年)を読みました。

 本書の「はじめに」に、著者の現行著作権制度に対する危惧が示されています。いわく、

 「現在の著作権法は、ディジタル技術の発達によって、権利者と著作物のあり方が多様化したために、きわめて精緻なものになってしまった。言い換えれば、冷めたスパゲッティ、あるいは使い古したコンピュータ・プログラムのように縺れてしまった」。

 「精緻になったことにより、現行の著作権法は一握りの法律家、企業法務担当者にしか理解できないものになった。密室化してしまった。これにともなって、著作権制度はレイパーソンつまり俗人には理解を絶するものになった」。

 「この俗人が、現在、意識するしないにかかわらず、その著作権法にコントロールされるようになった。なぜならば、現代の知的生活は、それが職業的なものであれ趣味的なものであれ、著作権ビジネスと絡むようになり、その著作権管理システムの監視下に置かれるようになったからである」。

 わたしの感覚では、専門家でも現行著作権管理システムを全体的に把握されている方は、少ないのではないでしょうか。ただ、わたしが小・中学校生活を送っていた当時と比べれば、それでも一般の人の著作権保護意識は、相当程度に高まっているのではないでしょうか。もっとも、これは表現行為を委縮につながっているとも思いますが・・・。

 というわけで、またまた新しい週がはじまってしまいました。今週も、みなさま(と、わたし)に、幸多きことをお祈り申し上げます。

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