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2008年12月 3日 (水)

プライバシー権

 暖かい一日になっています。久し振りに「お勉強」カテゴリーでの投稿です。

 大学院時代の指導教官から出版社に投稿する前の原稿を読ませてもらいました。「批判や校正を・・・」ということでしたが、校正はできても、批判をするような能力がわたしにはまだ備わっていません。というわけで、今回も、もっぱら勉強させていただきました。

 先生の論文は、プライバシー権を second-order の権利であると捉えているアメリカの諸説を引証して、プライバシー権を人格権的権益であると捉えるわが国の通説的見解の特異さを説くものでした。わが国における通説的見解というのは「自己情報コントロール権」(情報プライバシー権)として、プライバシー権を理解する見解です。

 たしかに、誰もが知りうる情報や public domain である情報まで、情報主体が支配すべきだ(個人情報の開示については情報主体の同意が不可欠である)とする、昨今のわが国での個人情報の取り扱い方には、一種の異様なものがあると思います。

 また、自分が他人からよく思われたいとの意図から、自分のイメージを壊すような情報を秘匿したいという気持ちもわかりますが、それは自分を粉飾して対人的コミュニケーションに従事していることと同じだと思われます。(もしこのブログをお読みの方が、わたしについて優しく穏やかな人だと感じたなら、わたしは本来の邪悪さを粉飾することに成功していることになります。どなたかが本当のわたしの有様を公表して、この粉飾を取り払うまでは・・・)。

 別稿で、プライバシー権を第1級の基本権として保護しようとしていることが、生活のさまざまな場面で不完全情報状態をもたらしており、そのことが交渉コストや取引コストを高めてしまうことも書かれていました。(経済学者G・スティグラーを参照しつつ、仮に雇用者が就職希望者の個人情報を不十分にしかもたなかったら、雇用者はきっと試用期間を長くとったり勤務状況を厳しく監視するであろうとか、被用者の犯罪傾向が不明確なときには、転職の回数を重視することになるであろうと)。

 久しぶりにアカデミックな一日になるかと思いきや、午後からは会議の連続です。勉強と会議、まぁ、どっちもこのよい天気の日に似つかわしくないことかもしれませんが・・・。

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