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2009年3月 2日 (月)

致命的な思いあがり

 よく晴れています。花粉もびゅん、びゅん、飛んでいます。

 週末に読みかけていた、ハイエク『致命的な思いあがり』(春秋社、2009年)を読みました。

 この本は、春秋社から刊行されているハイエク全集第Ⅱ期の第1巻として配本されたものです。訳者は、ハイエクをはじめ、ロールズ、ローティ研究に精通しておられる山口大学の渡辺幹雄先生です。

 古賀勝次郎「解説 - 自由主義社会のマニフェスト」にあるように、本書は「ハイエクの60年以上にわたる学問・研究が最後に辿りついた地点を簡潔に論じ」(235頁)たものです。そのハイエクの到達点というのは、一言でいえば、中央計画経済・統治の不可能性、社会主義・設計主義の非合理性ということろでしょうか。本書では、このことが、たたみ掛けるように説かれています。

 貧困、格差社会、(新)自由主義経済の悪弊が声高に説かれている現在、ハイエクの言説は、なかなか受け入れられないものなのかもしれません。ただ、長期的視点にたったとき、ハイエクは、説得力ある経済思想、法思想を提供したと思います。

 わたしはそのハイエクに聞いてみたいことがあります。それは、貧困、格差社会、経済大混乱という状況に、政府は、市場介入、企業の国営化、ケインズ的雇用・需要創出といった政策を、一時的にでも、するべきではないのかということです。もしそうだとすると、上記のような状況を、どうしたら乗り越えられるのか、ということです。100年に一度の(未曾有の)経済危機に対する処方箋を、ハイエクに聞いてみたいものです。

 彼はバブル経済崩壊後の1992年に亡くなっているので、この問に答えてもらうことはできません。ただ彼が生きていたら、いまのオバマ政権をどのように評価するのでしょうか。ハイエキアンの方、いかがですか?

 それにしてもこの本の題名、わがことのように感じて、ギックッとしました。わたしだけでしょうか。

 週末には、研究室の中も外も、雨が降りませんでした。

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