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2009年9月10日 (木)

著作権保護期間

 きょうも快晴!この前あめが降ったのは、いつのことだったのでしょうか。

 本日は、田中辰雄・林紘一郎編『著作権保護期間:延長は文化を振興するか?』(勁草書房、2008)をようやく読みました。

 わたしのいまの関心からすると、真っ先に読まなければならないこの本。ちょくちょく「つまみ食い」はしていたのですが、一通り読むのは、きょうの段階になってしまいました。

 欧米では著作権期間が、原則として、著作者の死後70年となっています。とこがわが国では死後50年です。これを欧米並みに70年に引き延ばそうという議論が2006,2007年段階で盛んでした。いまは、ちょっと棚上げ状態でしょうか。

 ところでわが国の著作権法1条には、著作権法制定の目的(それは著作権設定の目的でもあると思います)について、つぎのように規定しています。「・・・著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とする」。また、合衆国憲法には連邦議会に著作権法の制定権限を付与した規定があります。1条8節8項は、つぎのようにいいます。「著作者及び発明者に、その著作物及び発明に対する独占的な権利を一定期間保障することにより、学術及び有益な技芸の進歩を促進すること」(岩波文庫『新版 世界憲法集』の土井真一先生の訳です)。

 この規定から、著作権の設定は、文化・学術の発展・進歩のために(目的)、著作者に権利を付与した(手段)、という構造を持ちます。ということで、きょうの本は、著作権期間を延長するという「著作者の権利」の拡大(手段)で、文化・学術の発展・進歩が見られるのか、見られるとすればどの程度なのか、つまりそれは著作権法の目的に適うものなのか、ということを検討したものです。

 とくに本書はこの点を経済学的に(「法と経済学」)分析していることが注目されます。そして、著作権期間を延長しても文化を振興することにはならない、というのが本書の結論です。この直覚的に思いつくことを実証的・論理的に分析したところに、本書の意義があると思います。

 ともあれ気になっていた本を読みことができてよかったと思いました。

 【追伸】業界のみなさま、本日は、年に一度の運命の日ですね。

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