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2010年3月

2010年3月31日 (水)

適用違憲/処分違憲

 くもりです。

 東京高等裁判所は3月29日に、旧社保庁職員が政党機関紙を配布した行為が公務員の政治的行為を制限した国家公務員法違反に当たるか争そわれた「旧社保庁職員赤旗配布事件」(←これ、わたしが勝手にネーミングしました)について、無罪判決を下しました。

 公務員の政治活動に対する制限の合憲性が争われた事例といえば、昭和49年の「猿払事件」最高裁大法廷判決が有名です。今回の東京高裁の判断は、基本的には「猿払」を踏襲しながらも、当時よりも表現の自由は重要であるという認識が国民のなかに深まっている現状を踏まえて、「国家公務員の政治的行為を制限した国家公務員法の規定は合憲」としながらも、今回の旧職員の行為に罰則規定をもつ国公法を適用することは「違憲」とする判決を下したということです(朝日新聞の3月30日の報道による)。

 この東京高裁の違憲判断の手法は「適用違憲」と呼ばれる手法です。適用違憲というのは、法令の規定が文面上は合憲と判断できる場合でも(法令違憲ではない)、それが適用されようとしている訴訟・事件に適用される限りで違憲である、と裁判することです。朝日新聞の解説は、わかりやすくそのことを伝えています。

 ところがそのあと、社会面では「最高裁が判決・決定で適用違憲を認めたケースは戦後、10例しかない」とあり、ここでわたしは「えっ、知らない・・・」と思い記事の続きを見たら、刑事裁判で最後に適用違憲とされたのは1972(昭和47)年の「高田事件」判決、民事事件では1997(平成9)年の愛媛玉串料訴訟である、とありました。

 もうみなさんはお気づきですよね。これらの違憲判断の手法は、適用違憲に似て非なる「処分違憲」という手法ですよね。(もっとも、処分違憲を適用違憲に含めて解説する場合もあるようですから、朝日新聞の記事は一般の人に分かりやすいように説明されたのだと思います)。

 処分違憲というのは、法令違憲や適用違憲の場合のように、法令の規定についての合憲性を問題にするのではなく、裁判を含めた国家機関の権限行使(これをここでは「処分」と呼んでいます)の合憲性を審査し、違憲の判断を下す手法です。愛媛玉串料訴訟は、愛媛県が靖国神社等へ玉串料の名目で公金支出した行為(ここでいう「処分」)を憲法20条の政教分離原則に違反すると判断したのだから、処分違憲の典型例といえます。また、「高田事件」も下級裁判所の刑事裁判手続きが憲法37条の要求する迅速な裁判に違反すると判断したものです。約15年も審理を中断していたことを不作為の「処分」とみれば、「高田事件」も処分違憲の例である、と大学では説明されますよね。

 ちなみに、最高裁の少なくとも多数意見では、適用違憲の例はないのではないでしょうか。よく昭和48年の全農林警職法事件での田中二郎裁判官(←五高出身)他5裁判官の「意見」で示された判断方法が適用違憲の例である、と大学では紹介されると思います。また、下級審判決には適用違憲の例を見ることもでき、さっき紹介した「猿払事件」の第一審判決などが適用違憲の例であるとされます。

 ところで「旧社保庁職員赤旗配布事件」(←あくまでも、わたしが名づけました)は、最高裁に上告されるのでしょうか。朝日新聞の社説(3月30日)には「裁判は上告審に移り、論争が続く可能性が高いという」とあります。最高裁がどのような判断をするのか、注目しときましょう。

2010年3月30日 (火)

スタート憲法/憲法判例

 先日、関東学院大学の吉田仁美先生から、『スタート憲法』(成文堂、2010年)をいただきました。この本は、吉田先生の編集で、後輩の先生方と書かれたものです。要点を簡潔にまとめられた記述もさることながら、図・表・グラフ・写真などがふんだんに使われており、読みやすくかつ水準の高い本だと思います。(まだ新刊なのでアマゾンに画像がありませんでした。)

 そのつぎの日、京都大学の初宿正典先生から、『憲法判例』(第6版、有斐閣、2010年)をいただきました。

 本書は憲法を学ぶ上での重要判例をコンパクトに、かつ、過不足なくまとめられたものです。とくに、最高裁判例を読む上で重要な補足意見や反対意見も読みやすく編集されていて、初学者のみならず憲法をより詳しく勉強しようとしている方にもおすすめの本です。判例百選は2分冊ですが、1冊で主要判例をすべて網羅していることろも、本書の優れているところだと思います。

 わたしのようなものにまで貴重なご高著をいただき、ありがとうございます。

2010年3月29日 (月)

参議院の将来

 またまた快晴!

 いよいよ新学期を迎える週になりました。4月からの講義準備も佳境と言いたいところですが・・・、佳境なんてあるのでしょうか。

 そんななか、ジュリスト2010年3月1日号に特集されていた「参議院の将来」を読みました。

 平成21年9月30日の参議院議員定数訴訟に関する最高裁大法廷判決を受けての特集です。

 参議院の定数配分訴訟については、昭和58年の大法廷判決で、その判断枠組が示され、それが今日まで維持されてきていると思います。ただ、平成16年大法廷判決で、現在の状況が放置されればつぎは違憲判断するゾ~、といわれ(平成18年大法廷判決も同旨)、その後、参議院は改革について協議し、平成18年には定数配分を4増4減する公選法の改正に漕ぎつけています。平成21年判決は、この法改正の評価についてのもので、判決内容からすれば、今回の公選法改正とそこに至る改革の試みは、最高裁の一応の賛同を得られたということろでしょうか。

 ただ、平成16年と平成18年の2つの大法廷判決で、議員定数に関する不平等を是正する努力を国会がしているかという視点が加わり、審査基準が実質的に厳格化されたなかでの判決だっただけに、一筋縄では終わっていません。平成18年の公選法の改正でも残った較差は、結局のところ、法律の改正という小手先の弥縫ではどうにもならないというのでしょう。最高裁大法廷はつぎのようにいいます。

 〔公選法改正の結果でも残ることになった投票価値の較差は〕「投票価値の平等という観点からは、なお大きな不平等が存する状態であり」、この不平等を解消しようとするなら「現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できない。このような見直しを行うについては、参議院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が必要」である。

 最高裁としては異例の制度改革への要望が付された21年大法廷判決は、本特集の題名「参議院の将来」に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

 また、本特集は、その巻頭で江田五月参議院議長へのインタビューを行っています。議会審議の表には出てこない議院運営の裏側のことにまで話が及んでいて、興味深いインタビューでした。

2010年3月27日 (土)

オバマのアメリカ

 きょうも快晴!

 最近気になっていたお仕事も昨日終わり、なんとなく憑物がとれたように気分も軽やかです。といっても、もうすぐ4月。それを考えると、ちょっと憂鬱・・・・。

 きょうは、法学セミナー3月号の特集「オバマのアメリカ-キイ・プレイヤーたちの法哲学と政治思想」を読みました。

 大統領、国務長官の人となりについての記事のあと、最高裁メンバーの政治的立ち位置や議会主要メンバーの紹介があります。また、オバマ政権の法務行政、対日戦略のキーパーソンも説明されており、なかなかの特集だと思いました。

 とくにオバマ政権の多くの高官が沖縄問題に精通しているとのこと。右往左往する鳩山政権は大丈夫でしょうか。

 またオバマ大統領は、ハーバード・ロースクールを優秀な成績で卒業したあと、弁護士活動の傍ら、シカゴ・ロースクールで憲法を講義していたようです。黒人はじめての Law Review President (US の LS では優等生が Law Review の編集にあたっている)とのことだから、ロー・クラーク(裁判所調査官)というエリートの道もあったはずなのに、地元に帰って弁護士と大学教員になったとは、その頃から信念の人だったのでしょう。

 いずれにしても憲法を理解するためには、政治の動態も把握しないといけなので、本特集は非常に参考になりました。

2010年3月26日 (金)

模擬講義。

 快晴!

 昨日は勤務校の卒業式がありました。卒業生のみなさま、おめでとうございます。ちょっと雨なんか降ったりで大変だったかもしれませんが、それもまぁ、思い出のうち・・・ということで。

 去る人もいれば来る(かもしれない)人もいる、ということで、今日は「体験入学会」でした(まだ、模擬ゼミが行われているはず・・・)。勤務する学部では、いわゆる「出前講義」(出張講義とも)をしないかわりに、毎年、3月のこの時期に、4月から高校3年生になる生徒さんを招いて、「法学部体験入学会」を実施しています(どうも、この催しは法学部だけのようです)。そこでは、法学部のガイダンスの後、大教室で行う「模擬講義」と少人数で行う「模擬ゼミ」を実施しています。

 今年の体験入学でのわたしのお仕事は、この模擬講義の講師を務めることでした。そしていま終わり、研究室に帰って来ました(14:50)。模擬講義のお題はというと・・・

 「みんなで決めたこと」は「正しいこと」か?-民主制と憲法のはなし-

というものです。民主制といえば、政治について「みんなで決める」システムだと思いますが、でも、みんなで決めたこととはいえ、それは「正しいこと」とは限らない。♪なのに~なぜ~、憲法は民主制を採用しているのであろうか?、ということや、憲法は民主制を採用しながらも、実は民主制を絶対視せず、むしろ懐疑的ではないだろうか?、ということについて現高校2年生を相手にお話ししました。

 わたしが現役高校生の頃は、こういった「体験入学会」や、オープンキャンパスなんてなかったですから、今の高校生は恵まれていると(も)いえそうです。もっとも、参加したらしたで、それは大変なのかもしれませんが・・・、せっかくの春休みなのに・・・。

 いずれにしても、わたしの春休みのお仕事はこれで終わりです。といいつつ、もう春休みそのものが終わろうとしているのですが・・・。

2010年3月24日 (水)

大学教授という仕事

 雨降りです。桜もこの雨で・・・。

 昨日の教授会での出番をまつ間、杉原厚吉『大学教授という仕事』(水曜社、2010年)を、パラパラっと、読みました。

 著者の杉原先生は、テレビでお馴染みの大学の先生のようです。だまし絵の先生。

 理系の大学教授の日常が、軽快なタッチで描かれています。その文章から、研究や教育に真面目に取り組む、利用の教授像が浮かび上がってきます。

 たとえば「教えることは最大の勉強法である」ので講義の準備に多くの時間を割いているということ(32頁辺り)、HPを研究・研究室紹介に有効に活用しようとしていることなど、大学教員としての心得が説かれています。

 また、論文執筆や学会報告について「体勢が整わなくてもともかくシュートを打て」と学生によく言うと同時にご自分にも言い聞かせているといいます(168頁)。これ、至極名言だと思います。“エイヤッ”という勢いが、論文公刊には必要ですよね。

 ところで、つぎの件、面白いですよね。

 「東大へ移る数カ月前に、親戚の法事に出たとき、年配の女性がすり寄ってきて、耳元で『東大助教授のポストはおいくらでしたか』と聞かれた。・・・お金なんか払っていませんと答えたが、信じてもらえたかどうかは不明である」(19頁)。

 わたしも“お金で買った”と思われるのだろうか・・・、いまどき?5月から「准」がとれます。年貢の納め時?、という感じでしょうか。

P1000038

 尊敬するK先生から、お祝いにいただきました。メドックのバロン・アンリの2006年です。生産者は、パロン・フィリップ・ド・ロートシルト。

 エチケットに描かれているバロン・アンリ(1872-1947)は、医師でもあり、脚本家でもあった貴族のようです。科学技術や慈善事業にも私財を投じていたようです。

 教授会のあと、3月末で定年や移籍で退職される先生方の送別会がありました。いつものように3次会までいき、3時に就寝しました。みなさん、タフですよね。

2010年3月22日 (月)

週末は研究会に。

 快晴!桜、はやくも満開近し!

 振替休日ですが、勤務校の教務のお仕事や今週の金曜日にある「体験入学会」(今度高校3年生になる生徒さんを招いて、法学部に体験入学してもらう)の講師役の準備のため、泣く泣く出勤。

 先週末には研究会に出席するため福岡に行きました。

 研究会では、情報公開訴訟におけるインカメラ審理をそれを立法化していない現段階では否定した平成21年1月15日の最高裁第1小法廷決定に関する報告と、「猿払事件」(昭和49年11月6日の大法廷判決)をモチーフとした権利の間接的・付随的制約に関する報告を聴きました。

 研究会の後、3月末でこの研究会を退会する(所属大学を変わられる)先生の送別会が行われました。

P1000031 場所は、福岡市大名にある「海浜館」というお店でした。ちょっと、お高い居酒屋さん(でも洋風でもある)。ここのシェフは「めんたいワイド」という番組の料理コーナーにレギュラー出演しているとのこと。

 去りゆく先生は、ドイツ/アメリカと研究対象こそ違えども、わたしが比較的若い時から親しくお話をしていただいている先生なので、そして、温厚そうな顔立ちなのに学問的には非常に厳しい先生なので、残念です。これからも学会等ではお会いできるでしょうが、こういう小さい研究会の方が、いろいろお話していただけるでしょうから・・・。

 ところで、その席上、わたしの近くでは、最近の学生は物心ついたときから携帯電話があり、その中で育っているので、躾ができていない、という話が力説されていました。わたしの世代だと、物心ついたときは設置電話しかなかったので、先生と話をしている時、授業中、当然、電話を「チラ見」することも、絵文字をつかってメールを送ることもなかったのですが、いまの学生は平気でそれをする、とのこと・・・・。この発言、わたしと10ぐらいは離れている若い先生の発言です。まぁ、先生と話しているときに、携帯を「チラ見」してはダメでしょうが・・・。

 また、いまは誰でもHPやブログで表現できるが、自分の生活をさらけ出してなにが面白いのか。日記は誰にも見せないことを前提に書くものだ...、とその切っ先鋭い立論にタジタジでした。しまいには「ブログなぞ、自己顕示欲が強いやつが書くものダ」とまで言われて、その通りなだけに、なにも反論できませんでした・・・。

 とまぁ、こう書くとなんだか険悪な感じですが、実際のその場の雰囲気は、もっと楽しいお酒でした。文章で雰囲気を伝えることは、非常に難しいのです。ブログもメールも、そうですよね。電話での会話もそうかもしれません。やはり、直接会ってのコミュニケーションって、重要なのでしょうね。

 ということで、息抜きはこれで終わり。休日ですが、わたしの仕事はまだまだ続きます・・・。

2010年3月19日 (金)

修了祝賀会。

 本日も快晴なり!

 昨日の夕刻、この3月に大学院を修了される方の「修了祝賀会」がありました。勤務校の大学院では、一日の時間を専ら勉強に費やす(!)一般学生と仕事を持ちながら勉強する社会人学生が、ともに机を並べて勉強しています。また、中には子育てなどお家のことをしながら勉強されている方もいます。それぞれの状況のなかで、修士論文を仕上げることには、さぞや努力のいることだったと思います。頭が下がる思いです。

 わたしなど、大学院でも親のすねをかじって“ぷらぷら”勉強し、大学教員となったいまも“仕事もせず”(?)、また家事もせず、勉強だけで許してもらっています。まぁ、勉強することが仕事でしょうか。恵まれています。

 ところで、せっかく大学院にまで通ったのだから、これからも勉強を続けてもらいたいところです。ところが、一旦、修了して学生でなくなってしまうと、その後大学の施設を利用するには、いろいろと障害があるようです。このご時世、大学とはいえまったく入校管理等をしないことは無理でしょうが、本学の、それも大学院修了生が勉強のために来校するという時には、なんらかの特権があってもよさそうなものだと思います。と、わたしがこのブログで書いても、どうもなりませんが・・・。

 という感じで、きょうも始まりました。これから研究室でいろいろやって、午後は、外部の審議会に出席です。明日は福岡・Q大です。

 昨日は2次会にも出席せず、1次会で“こっそり”帰りました。とはいえ、最近「飲み会」続きで、なんとなく体の重さを感じています。

2010年3月18日 (木)

屯所居酒屋「歳三」

 徐々に晴れてきました。でも朝はヒンヤリ。

 昨日、勤務校の「吉田門」を出てすぐにある「歳三」という居酒屋さんに行きました。「吉田門」という名称は、いまはセブンイレブンとなっている「吉田商店」さんに因んだ名前のようです。

P1000030  きのうは、昨年10月末に参加した「学長杯バレー」の打ち上げでした。

 その日のブログ。

 ちょっと遅い打ち上げでしたが、まぁ、飲めればなんでもいい、ということで。学部の先生方ではなく、事務の方や他学部の先生がメンバーだったので、新鮮な感じの飲み会でした

 ところで、大学すぐ近くにあるとはいえ、わたくし、不覚にも「歳三」にはじめて入りました。おそらくその多くのお客さんが学生であろうと思われるので、値段もかなりお安め。雰囲気も「新撰組チック」な良いお店でした。ただ、これだけ大学に近く、どこで誰が聞いているかわからないので、同僚先生の話も個人情報保護のために「イニシャル・トーク」になりますよね~(って、イニシャルで十分わかるか。それと、酔ってきたら、もう実名ですよね(笑))。

2010年3月17日 (水)

桜咲く。

 晴れていますが、ちょっと寒い。

 「桜咲く」。いい言葉ですね。勤務校の桜も咲きました。

P1000026  熊本気象台でも昨日、桜の開花宣言がありました。平年より8日早く、昨年と同じ日の開花宣言となりました。観測史上、2番目に早い桜の開花のようです。

 桜は開花から1週間~10日ぐらいもつそうです。卒業式はセーフ、入学式はアウトですね。まぁ、入学式の方は「希望の桜」が満開でしょうから、こっちの桜はいいですよね~(って、なんかくさい!)。

 このブログのコンセプトに合わない、綺麗な“落ち”になってしまいました。今日から昼の野球も再開です。

2010年3月16日 (火)

逆転

 昨日とはうってかわって、快晴です。なんだか、だらだらした休暇を過ごしています。

 現実逃避の読書ということで、伊佐千尋さんの『逆転』(岩波現代文庫、2001年)を読みました。

 サブタイトルにあるように、この本は「アメリカ支配下・沖縄の陪審裁判」をテーマとしたノン・フィクションです。著者が実際に経験した陪審裁判の記録です。

 アメリカ統治下の沖縄では、1963年に刑事事件について、翌1964年には民事事件について、陪審制が導入されました。沖縄が本土復帰を果たしたのは1972年ですから、それまで陪審裁判が実施されています。沖縄で陪審裁判が導入されたのは、国外にいるアメリカ市民にも陪審裁判を受ける権利がある、とされたからだと聞いています。

 本書は、著者が実際に陪審員として参加した裁判の様子について、当時の沖縄の状況、とくに合衆国琉球列島民政府がそして米軍が、沖縄においていかに「強い立場」にあったかという背景を交えて描いています。実際の事実に沿って描かれているだけに、その迫力は他の追随を許さない域にあると思います。陪審裁判の実際が分かるだけでなく「アメリカ世(ゆ)」の悲哀のようなものが伝わってきます。

 ところで本書のクライマックスは、4名の被告人の共謀共同正犯が成立するか否かで、陪審審議が紛糾するところです。1人だけ反対の立場にあった主人公(著者)が、どのような議論展開をするのか、読みどころ(?)です。でも、タイトルは「逆転」。傷害致死罪という重罪の共謀共同正犯が成立するというところに傾いていた陪審団が主人公の奮闘で無罪評決を出すという「逆転」は分かるのですが・・・、もういちど「逆転」、それも「大逆転」があります。

 本書の解説に、陪審制は司法権に対するシビリアン・コントロール、とあります。このことを深く考えさせられる本でした。

2010年3月15日 (月)

塩キャラメル・フロート

P1000016 熊本市平田(メゾンド・セピアの1階)にある「クレープリー・カフェ・樹水」の塩キャラメル・フロートです。画像ではバナナばっかり映っていますが・・・。バナナやその下のアイス部分に、ほろ苦くて香ばしい、塩キャラメルがかかっています。

 娘にとられて、ちょっとしか食べられませんでした。

クレープリー樹水

 本格的な雨です。陽のあたらない教室は底冷えがします。そんな教室で再試験の監督をしました。「再試験」とは、あとちょっとで卒業や進級の単位が足りなかった学生向けの再チャレンジ試験です。みなさんの健闘を祈りつつ、の監督をさっき終えました。

 ところで、昨日は、熊本市平田にある「クレープリー・カフェ・樹水」に行きました。

P1000015  場所は「メゾンド・セピア」というアパートの1階です。ネット上でも評価の高いお店のようです。

 わたしがいただいたのは、左にある「クレープロールランチ」です(そば茶つきです)。右は、なんとかバーガーでした。住宅街のカフェということで、平日も奥様たちで賑わうのだろう、とう感じのお店でした。

 その後、流通団地内にある「コデラ」に行き、娘のペン・ケースを買いました。まだ幼稚園というのに、お友達はみんな、ペン・ケースをもっているようでした。あの箱型、たしか、ゾウが乗っても壊れない・・・とかいうCMもあったような・・・、古いか!、わたしも小学校入学のとき買ってもらったように思うのですが、なにせ嵩張って、学校では使いにくいんですよね~。

2010年3月13日 (土)

ショーシャンクの空に

 雨です。

 週の初めから中ごろまでは寒く、小雪も舞い、週末に向かって温かくなりました。なんとなく長く感じた1週間でした。

 ということで(?)、研究室にある数少ないDVDライブラリーのなかにあった、「ショーシャンクの空に」を観ました。

 主人公は元銀行マン。妻と間男を殺した罪(実は冤罪)で終身刑を言い渡され、ショーシャンク刑務所で服役するところから、お話が始まります。

 彼は他の受刑者とかかわろうとしないのですが、持ち前の会計・税務処理の能力を生かして、主任看守の相続問題を解決した頃から、看守たちにも、また周りの受刑者たちにも馴染んでいきます。それはもともとの彼の人間的魅力によるものだったのかもしれません。

 ある日、刑務所内の図書室で配本係をしていた老受刑者の助手を命じられます。それは、彼の会計能力を生かして、看守たちの税務問題の処理をする役割を刑務所内でさせるためでした。また彼は、図書室を大きくしようと議会に毎週手紙を書き、それを実現させると、つぎには受刑者のなかで高校卒業の資格を得させるための手ほどきもします。

 ところが、それと同時に、刑務所長の不正な経理操作をさせられます。賄賂のマネーロンダリングを命じられるのです。また、主人公の無実を知る受刑者の存在を知った所長は、主人公の再審請求を聞き入れないばかりか、その受刑者を亡き者に・・・、おっと、なんか話しすぎましたね。あとは、観てのお楽しみというところで・・・。

 ところで、刑務所内には他の受刑者の信頼を受ける黒人の長期受刑者がいます。彼は外部からタバコやお酒などを持ち込む仲介者、「調達係」をしています。その彼と主人公は所内で打ち解けるのですが、この「調達係」がさきの老受刑者の仮釈放が決まった時、こういいます。仮釈放が決まった時、その老受刑者は精神状態を乱すのですが、

 「塀というのが問題なのだ。この塀、最初は憎む、そのうち慣れる、時間が経つと頼りにしてしまう。施設慣れっていうんだ。」

 この老受刑者、仮釈放後のシャバの生活に馴染めず、首を吊ってしまいます。さて、長期受刑の後、今度はその「調達係」の仮釈放が許されます。さてどうなったでしょう・・・、とまぁ、ここも観てください。

 この映画には、もちろん冤罪や刑務所内の不正もそうですが、他にもいろいろなテーマがあったと思います。DVDのパッケージには「再見することによって、この画以外の価値をより深く理解することができた」と書かれています。鑑賞後、感動でもなく、興奮でもなく、ただ満足感が残る作品でした。いずれ再見したいと思います。

 

2010年3月 9日 (火)

送別会。

 雨です。寒さが戻ってきました。

 昨日は同僚先生の送別会がありました。送別会といえば街に繰り出して・・・という感じですが、今回は去りゆく先生のたっての希望で、校舎内のリフレッシュ・ルームでホーム・パーティ風の会が行われました。

 わたしも、ちょっとだけお手伝い・・・をということで、熊本市尾ノ上自衛隊通りにある「フランス惣菜 カンティーヌ」に、買い出しに行きました。

P1000012  店内には手作りの惣菜とワインセラーがあり、よいお店を知ることができました。下通りには系列のレストランもあるようなので、近々、そちらへも参上したいと思います。

 幹事の先生が陣頭指揮をとって用意してくれたお料理の数々は、こんな感じです(この他にメイン?のおでんや餃子もありました)。

P1000014  16、17人くらいの参加者だったので、さぞやご苦労いただいたことと思います。単純に仕出しを頼むのではなく、できるだけ手作りのものをということで、まさに「御馳走」が並んでいます。

 ところで去りゆく先生は、大学院の同期生ということで、いろいろお世話になったわけですが、なんとかく離れる感じがしません。本当にいなくなるのでしょうか。意外と、4月以降も普通にいて、リフレッシュルームでお酒など飲んだりして・・・。

2010年3月 6日 (土)

派閥の会合。

 雨もようです。

 昨日は勤務校の「経世会」の会合がありました。会合で利用したのは、熊本新市街にある「酒湊」です。料亭ではありませんでした。

P1000008

 刺身、サラダ、牛の溶岩焼、揚げ物、ご飯、デザートなど、料理はまずまずだったと思うのですが、時間に窮屈な感じがしました。

 「経世会」の大将がLS長になったことをお祝いする会だったのですが、このご時世にLS長だなんて、早くも慰労会の様相でした。

 いつものお店で二次会もあったのですが、「餅代」が配られることはありませんでした(笑)。

 最近は疲れているせいか、そんなに飲んでいないのに、なんだか今日は二日酔い気味です。お酒に弱くなる年頃なのでしょうか。

2010年3月 3日 (水)

最終講義。

 くもりです。

 毎年この時期になると、年度末で定年退職される先生の「最終講義」が、学内の各部局で開催されています。

 わが法学部でも、昨日、社会保障法学会の草創期からのメンバーで、法学部の「大看板」の先生の最終講義がありました。独特の口調による人を引き付けるお話に魅了されました。

 最終講義の内容にはいろいろなパターンがあると思うのですが、昨日の先生の講義は、ご自身の研究生活を詳細に振り返るというもので、非常に興味深いお話が聴けました。わたしのような若輩者からみても、“地に足をつけた”研究を続けられていることが分かり、感銘を受けました。ああならないといけない、と思いました。

 ところで、最終講義のあとは懇親会。「公式な懇親会」の後は、非公式な懇親会と、夜も更けて行きました・・・。帰宅したのは、いつものように午前様(2時20分くらいだったか。あまり定かではない)。

 本日はこれから卒業判定、進級判定に関する委員会があります。午前、午後の大部分をそれに使った後、さらに教養教育に関する委員会があります。

 定年退職していく先生を羨ましく思いつつ、きょうも学務に励むわたしでした。

2010年3月 2日 (火)

公安警察スパイ養成所

 くもり。もう3月になり、2日目も過ぎてしまいました。

 そんななか、島袋修さんの『公安警察スパイ養成所』(宝島文庫、2009年)を読みました。

 元公安警察官で日本共産党担当の秘密諜報活動をしていた著者による暴露本です。旧日本陸軍の「中野学校」のような秘密諜報員養成所での訓練の様子、共産党の協力者とのこと、公安警察退職後の生活など、「裏の公安」のことが白日の下に晒されています。

 島袋さんが本書を執筆した動機は、いろいろあるのでしょう。ただわたしは、諜報活動への協力者が非業の死を遂げたことへの贖罪のために本書を執筆したのでは、と感じました。それは当時記録を読み解すシーンで「内心忸怩たる思いがする」とその心情を吐露するところに、象徴的に表れているように思います(101頁)。

 それでも職務遂行中には“スパイ養成所”での「諸君の仕事は国家が永久に感謝し、歴史が評価するであろう」(86頁)の教え(洗脳?)を胸に危険な業務にあたっていたのでしょう。なんだか暗~い気持ちになる本でした。

 それでも、協力者の死に接して、著者はつぎのようにいいます。「退職して、私ははっきりと悟った。自分が警察時代に果たしていた任務は、人間から人間らしい気持を奪い、犯罪者をつくることであった、と。公安警察はペテン師集団、偽善者集団であった」(210頁)。

 「裏の社会」の内幕をレポートした著者の勇気ある著作だと思います。

2010年3月 1日 (月)

バレント『言論の自由』

 10時30分くらいから雨が降り出しました。

 比較言論法研究会の5名の先生から、エリック・バレント『言論の自由』(雄松堂出版、2010年)をいただきました。

 本体価格15,000円と大変高価な贈り物に、深く感謝いたします。わたしのようなものにまで温かいご厚情をいただき、ありがとうございます。

 “言論の自由王国”ともいえる合衆国の体系的法理論がこれで日本語で読めることになり、わが国の研究・教育にも大いに発展することと思います。まずはこの場をお借りして、御礼申し上げます。

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