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2010年3月29日 (月)

参議院の将来

 またまた快晴!

 いよいよ新学期を迎える週になりました。4月からの講義準備も佳境と言いたいところですが・・・、佳境なんてあるのでしょうか。

 そんななか、ジュリスト2010年3月1日号に特集されていた「参議院の将来」を読みました。

 平成21年9月30日の参議院議員定数訴訟に関する最高裁大法廷判決を受けての特集です。

 参議院の定数配分訴訟については、昭和58年の大法廷判決で、その判断枠組が示され、それが今日まで維持されてきていると思います。ただ、平成16年大法廷判決で、現在の状況が放置されればつぎは違憲判断するゾ~、といわれ(平成18年大法廷判決も同旨)、その後、参議院は改革について協議し、平成18年には定数配分を4増4減する公選法の改正に漕ぎつけています。平成21年判決は、この法改正の評価についてのもので、判決内容からすれば、今回の公選法改正とそこに至る改革の試みは、最高裁の一応の賛同を得られたということろでしょうか。

 ただ、平成16年と平成18年の2つの大法廷判決で、議員定数に関する不平等を是正する努力を国会がしているかという視点が加わり、審査基準が実質的に厳格化されたなかでの判決だっただけに、一筋縄では終わっていません。平成18年の公選法の改正でも残った較差は、結局のところ、法律の改正という小手先の弥縫ではどうにもならないというのでしょう。最高裁大法廷はつぎのようにいいます。

 〔公選法改正の結果でも残ることになった投票価値の較差は〕「投票価値の平等という観点からは、なお大きな不平等が存する状態であり」、この不平等を解消しようとするなら「現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できない。このような見直しを行うについては、参議院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が必要」である。

 最高裁としては異例の制度改革への要望が付された21年大法廷判決は、本特集の題名「参議院の将来」に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

 また、本特集は、その巻頭で江田五月参議院議長へのインタビューを行っています。議会審議の表には出てこない議院運営の裏側のことにまで話が及んでいて、興味深いインタビューでした。

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