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2010年3月 2日 (火)

公安警察スパイ養成所

 くもり。もう3月になり、2日目も過ぎてしまいました。

 そんななか、島袋修さんの『公安警察スパイ養成所』(宝島文庫、2009年)を読みました。

 元公安警察官で日本共産党担当の秘密諜報活動をしていた著者による暴露本です。旧日本陸軍の「中野学校」のような秘密諜報員養成所での訓練の様子、共産党の協力者とのこと、公安警察退職後の生活など、「裏の公安」のことが白日の下に晒されています。

 島袋さんが本書を執筆した動機は、いろいろあるのでしょう。ただわたしは、諜報活動への協力者が非業の死を遂げたことへの贖罪のために本書を執筆したのでは、と感じました。それは当時記録を読み解すシーンで「内心忸怩たる思いがする」とその心情を吐露するところに、象徴的に表れているように思います(101頁)。

 それでも職務遂行中には“スパイ養成所”での「諸君の仕事は国家が永久に感謝し、歴史が評価するであろう」(86頁)の教え(洗脳?)を胸に危険な業務にあたっていたのでしょう。なんだか暗~い気持ちになる本でした。

 それでも、協力者の死に接して、著者はつぎのようにいいます。「退職して、私ははっきりと悟った。自分が警察時代に果たしていた任務は、人間から人間らしい気持を奪い、犯罪者をつくることであった、と。公安警察はペテン師集団、偽善者集団であった」(210頁)。

 「裏の社会」の内幕をレポートした著者の勇気ある著作だと思います。

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