無料ブログはココログ

わたしの著書

  • 憲法Ⅰ 総論・統治機構論
  • 憲法Ⅱ 基本権論
  • 著作権と憲法理論
  • ロールズの憲法哲学

« 新入(院)生歓迎会 | トップページ | 韓国の工業化と半導体産業 »

2010年4月19日 (月)

Justice@ハーバード

 雨が降り続いています。

 ハーバード大学政治哲学教授のマイケル・サンデルの実際の講義の様子が、日曜夜6時のNHK教育チャンネルで放送されています。タイトルは「ハーバード白熱講義」というもので、内容はサンデルが「Justice」について語るというものです。昨日はその第3回目で「“富”は誰ものか」の回でした。サンデルがビル・ゲイツやマイケル・ジョーダンを引き合いに出して、このような億万長者の収入に課税して貧困者を救うことは正義・公正に適うことか、について巧みな議論を展開していました。

 この放送をわたしは非常に興味をもって観ています。

 その第1の理由は、サンデルはわたしが大学院生の頃に少し勉強していたジョン・ロールズの好敵手で、彼がまさに「正義を語る」ところにあります。第3回までで、ジェレミー・ベンサム、ジョン・シュチュワート・ミルに代表さえる功利主義の見解、その弱点を突きつつリバタリアニズムを展開したロバート・ノージックの見解が分析されました。ノージックにすれば、国家による所得再分配政策は、まさに国家による窃盗と同じことなのでしょう。講義中にもこのことが扱われていました。おそらく今後はロールズも扱われることでしょう。そして人びとは「社会のかなで生きている(一定の共通目的のもとで生きている)」ことを理由に、ある程度の自由の制約は許されるというサンデルの見解(コミュニタリアニズム)も表明されていくのでしょう。なんだかワクワクします。

 それにもましてこの番組を興味深く見ている第2の理由は、まさにハーバード大学でのサンデルの講義が公開されていることにあります。つまりサンデルの講義の手法を見ることができるのです。彼は2階席まであるハーバードの教室で、各回の講義を、出席者と討論をしながら進めています。功利主義やリバタリアンの考え方についての最小限の知識を確認した後は、身近な設例をもちいて、学生に質問を投げかけ挙手を求め、その意見に賛成/反対の他の学生の意見を聞く、という形で「Justice」を講じて行きます。その姿は、まさにスター教授の様相を呈しています。NHKで放送される理由がわかります。

 最近は大学でもFD(ファカルティ・ディベロップメント)といい、教員どうしで講義の内容や方法について検討し、ときには講義参観などをしながら、教員の講義手法を高めていくという営みがなされています。とっても、まだまだ本格的ではありませんが。そういう視点からして、自分の講義をTVで公開するというサンデルは、本当に「大物」だと思います。「Justice」について興味をもつ方はもちろんですが、FDに関心のある先生方も、一見の価値ある番組だと思います。

 なおこの番組は上述したように、日曜夜6時にNHK教育で放送されています。同時刻に「まる子」と「サザエ」があるため、わたしはタイム・シフトして観るしかありません。おっと、いらない情報でした。次回の25日は第4回目で「この土地は誰のもの?」をテーマに講義がなされますが、いままでの3回分をお見逃しの方には、第1回を4月24日(土)午前1:15~、第2回を4月25日(日)午前1:05~、第3回を同日の午前2:04~、という具合に再放送がされるようです。番組の詳細を含めてNHKのHPでご確認ください。

 またこの講義は下記の本がもとになっていると思います。わたしはところどころ「つまみ読み」しかしていませんが、いずれ通読したいと思っています。

« 新入(院)生歓迎会 | トップページ | 韓国の工業化と半導体産業 »

英米の法理学、米国憲法」カテゴリの記事

コメント

再放送があったとは・・・遅かった・・・1-3回をみのがしていましたので

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/499918/34298219

この記事へのトラックバック一覧です: Justice@ハーバード:

« 新入(院)生歓迎会 | トップページ | 韓国の工業化と半導体産業 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31