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2010年6月12日 (土)

サイダーハウス・ルール

 低気圧が近づいているせいか、少し強い風が出てきました。曇りです。

 本当は原稿を・・・、そんななか、『サイダーハウス・ルール』を観ました。“サイダーハウス”とは、主人公が孤児院を出て新しい生活を求めた場所、リンゴ農園の収穫人たちの宿舎です。

 これは勤務校の医学部の浅井篤先生の編集による『シネマの中の人間と医療 エシックス・シアターへの招待』(医療文化社、2006年)の巻頭で紹介されているDVDです。(浅井先生にはお会いしたことがありません)。

 この映画のメイン・テーマは、浅井先生の解説にあるように、人工妊娠中絶についてだと思います。さらに全篇を通して視聴者に問いかけていることを、浅井先生は、つぎの4点にまとめておられます。

 ① 中絶(堕胎)は決して許されないことか。中絶が是認される状況もあるか。

 ② “生”を受けることは、無条件に“よい”ことであろうか。どんな状況であれ“生まれる”(または生きている)ことは“生まれない”(または存在しない)ことより、絶対的によいことなのか。

 ③ 違法行為は倫理的に間違っていることなのか。それとも倫理的に許される違法行為もあるか。映画の設定では中絶は違法行為とされています。

 ④ 他人のことにわたしたちは介入すべきときがあるか。なにもせずにただ傍観していることも許されるか。

 浅井先生が「観るたびに新しい発見があ」る(7頁)というように、この他にも視聴者によっていろいろな見方のあるDVDだと思います。

 わたしはこの映画を“仕事”ってなんだろう・・・と思いながら観ました。“役に立つ”ということに喜びのようなものを感じる主人公。サイダーハウスでの生活や出征した恋人を待つ女性との関係においても、この“役に立つ”ということの意義が語られているように思いました。

 もうひとつ、出演者はみな明るいのに、冒頭から、なぜか胸が締めつけられるような感じを覚えました。(このように感じたのは、なにも原稿から逃避してDVDを観たことによる焦燥感だけではないはず・・・)。その理由はなんなのだろう、と思っていたら、主人公とその親代わりの孤児院の院長(産婦人科医でもある)との手紙のなかで、院長が「おまえは遅れた思春期を過ごしているのだ」という件があります。あぁ、これかなぁ、と感じました。最終版で“遅れた思春期”を終え、“求められている場所”に戻っていく主人公の姿をみて、充実感に満ちた126分でした。

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