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2010年9月12日 (日)

著作権・フェアユースの最新動向

 いまは穏やかに晴れています。が、夕方から明日、明後日と、天気はくずれる予報です。

 いま、フェアユース研究会『著作権・フェアユースの最新動向』(第一法規、2010年)を読んでいます。

 わが国の著作権法には、著作権を制限する個別的規定があります。たとえば「私的使用のための複製」を認めた30条とか、「営利を目的としない上演等」を認めた38条などが、この例です。これらの規定に該当する利用については、原則として著作権者の許諾がいりません。ところが、これらの権利制限規定は、限定列挙であるとされています。また、権利の制限規定であるがために、これらの規定は厳格に解釈適用されるのが、原則(建前)でもあるようです。

 ところがこれではわたしたちの日常的な著作物利用にさいして、これは常識的にみてもおかしいと思われるものでも、著作権侵害の誹りを受けることになります。また、なによりも「文化の発展に寄与する」(1条)という著作権法の目的に資すると考えられる行為でも、法的には“著作権侵害”との評価を受けてしまう場合があります。

 そこで著作物のいわゆる“公正な利用”と考えられる場合には、著作権の効力を否定するための「一般的規定」を著作権法に導入すべきではないか、といま議論・検討されています。「日本版フェアユース」規定の是非論です。この議論には研究者・実務家のなかでも賛否両論あり、また権利者と利用者の間でも、意見がわかれています。

 この「日本版フェアユース」規定の議論をレビューしつつ、“フェアユース”規定の性質、その効用とマイナス点を多角的に論じる研究会が組織されました。その活動報告が本書です。研究会の再現という形式で編集されているので、難しい専門用語のオンパレードもなく、非常に読みやすい本です。

 また付録のDVDには、わたしの論文であつかったことがある米国最高裁判例、ベータマックス事件(ソニー開発のビデオ録画装置が著作者の複製権を侵害しているので、ソニーにはその寄与責任があると提訴された。ビデオ録画装置のフェアユースを認定。)やプリティウーマン事件(映画「プリティウーマン」主題歌のパロディにフェアユースを認めた。)の邦訳も収録されていて、お得感もある本になっています。

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