無料ブログはココログ

わたしの著書

  • 憲法Ⅰ 総論・統治機構論
  • 憲法Ⅱ 基本権論
  • 著作権と憲法理論
  • ロールズの憲法哲学

« 父の日でした。 | トップページ | 打ち上げ@フィガロ »

2011年6月24日 (金)

社会契約論がなぜ大事か知っていますか

 すこし青空もありますが、曇りの部類でしょうか。(と思っていたら、快晴になりました。暑い暑い)。

 伊藤宏之『社会契約論がなぜ大事か知っていますか』(柏書房、2011年)を読みました。社会契約論がなぜ大事か、よく知らなかったので読みました。

 ジョン・ロックの統治論の訳者による、ロック社会契約論の読解です。

 著者の意図は、オバマ大統領が「建国の理念」を語り、菅首相が「国民主権」というときの思想背景にあるロック契約論思想を摘出することにあるようです。

 社会契約論を唱えた啓蒙思想家は他にもいます。その中でもロックの特徴はといえば、やはり社会契約を「1回限りのもの」にしなかったことでしょうか。それは彼の抵抗権思想にも現れています。市民の利益を守らない統治者にはいつでも交代を迫れるのだと。

 社会契約は「フィクション」で歴史的事実ではありません。ただ政府による統治の正当性を説明する「説明の装置」として実にうまくでいているために、ここまでの影響力を維持してきています。わたしはこの国家統治の正当性を説明する純理論を、現実の政治の善し悪しを判断する基準とすべできはないと思っています。 それは抽象的なところから具体的なところへと、規範理論の階梯を相当程度下っているにもかかわらず、そこに純理論的規範を適用しようとすることだかからです。

 それでも、ロックの社会契約論の意義を体系的に把握し、そのエッセンスを現実政治に照射し、読者に政府による統治のあり方、人権保障の意義について再考を迫るこの本は、いま読まれるべき1冊なのかもしれません。

« 父の日でした。 | トップページ | 打ち上げ@フィガロ »

読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/499918/40528650

この記事へのトラックバック一覧です: 社会契約論がなぜ大事か知っていますか:

« 父の日でした。 | トップページ | 打ち上げ@フィガロ »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30