無料ブログはココログ

わたしの著書

  • 憲法Ⅰ 総論・統治機構論
  • 憲法Ⅱ 基本権論
  • 著作権と憲法理論
  • ロールズの憲法哲学

« これからのルート。 | トップページ | 街はもうクリスマス~熊本編~ »

2011年12月 2日 (金)

日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか

 12月になり、やはりちゃぷくなりました。きょうなど、雨まで降り出しています。

 そんななか、山田奨治『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(人文書院、2011年)を読みました。

 本の名前となているテーマについては、各自お読みいただくとして。わたしは、いわゆる海賊版や違法コピーにそう目くじら立てるべきではない、という著者の主張に、ほう、なるほどなぁ~、と思いました。

 著者は、統計資料から、国民ひとりあたりの国民総所得が上昇するにしたがって、ビジネソフトの違法コピー率が減ってくることを見取っています。そこから、つぎのように提言します。

 「むしろ最初は違法コピーでも利用を許し、IT化したビジネスで経済成長し、それによって早く購買力を備えてもらって正規版への移行をはかることが、ビジネス手法として有効ではないだろうか。」(191頁)

 違法コピーでもなんでも利用してもらって購買力が高まれば、統計からすると、今度は正規版を購入するはずだ、ということでしょう。たしかに、“衣食たりて礼節を知る”(ちょっと違うか?)というところがあると思います。

 また、映画やTVドラマのDVDについて、「海賊版は権利者に経済的な損失を与えるだけのものではなく、文化を異国に伝える強力なインフラとして作用し、ときにはその市場創造力によって長期的には権利者に利益をもたらすことも否定しきれない」(200頁)ともいいます。

 日本文化の海外進出に海賊版DVDが果たす役割もあり、違法DVDによって興味をもった日本文化をもっと知るために、のちに獲得した購買力により、今度は正規版を購入するようになる、ということも考えられるということでしょう。

 著者は「日本の文化的な影響力を最大化することが目標であるならば、極端にいえば海賊版は野放しにするのがよいと、わたしは考える。」(201頁)とまで言い切ります。

 ちょっと著作権を勉強しただけのわたしは、この著者の意見にコメントする能力を持ち合わせていません。ただ、専門家ではないわたしにも、なにを議論すればよいのか、わかりやすく解説されていました。

« これからのルート。 | トップページ | 街はもうクリスマス~熊本編~ »

読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/499918/43228707

この記事へのトラックバック一覧です: 日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか:

« これからのルート。 | トップページ | 街はもうクリスマス~熊本編~ »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30