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2012年3月

2012年3月30日 (金)

国民皆保険制度の合憲性。

 きょうも暖かです。ただ、あすは雨模様のよう。

 朝日新聞の朝刊に「民主の看板政策、違憲?」との見出しで、アメリカのオバマ大統領の目玉政策だった「国民皆保険制度」の合憲性が連邦最高裁で審議されているとの記事がありました。

 違憲を主張している側は「議会は、個人を強制的に商取引に参加させる権利はない」と主張しているとのこと。さすがは“自由の国”アメリカ。これに対して合憲を維持したい政府側は「民主的に選ばれた議会の裁量の範囲内」と反論しているようです。

 アメリカでは憲法裁判に連邦裁判官の政治思想が強く影響します。9人の裁判官の「票読み」をする米メディアによると「違憲判決の可能性」が急増しているようです。人種差別政策や人工妊娠中絶の是非にも、最高裁裁判官たちの政治思想が大きく影響しました。

 という裁判所や裁判官任命にともなう「政治性」は措くとしても、「国民皆保険制度」、「国民皆年金制度」について、わが国でも、その合憲性が議論されてもよいのではないでしょうか。不慮の事故やけがに備えて、また、将来の生活のために、保険や年金に加入するかどうか。また、いずれかの保険・年金に加入しなければならないとしても、自由主義国において、なぜ国家が運営する制度に加入しなければならないのか。

 朝日新聞では連邦最高裁で開かれた口頭弁論の様子(通常の事件では1時間ほどしか開かないのに、今回は3日間、計6時間以上の弁論を実施したとのこと)もすこし紹介されていて、そこでキャスティング・ボートをにぎると予想されているケネディ裁判官が個人が政府運営の保険に加入しなければならないことについて「政府と個人の関係を、根本的に変えるのではないか」と政府側にとって厳しい質問をしたようです。

 「国民皆保険」「国民皆年金」、たしかにわたしたちの生活にとって非常に重要な制度で、それを国家が運営してなにがわるいのか、といえそうです。ただ、それに加入しない自由も保障してきたのが、憲法の基本理念のようにも感じます。“よい”/“わるい”政策は相対概念であるだけに、わたしたちの生活にとって“よい”と思われる政策なら“合憲”とはいかないと思います。そこには、それでもわたしたちの自由を制約してよい、という憲法上の理屈が必要になると思います。

 連邦最高裁の判決は、6月末と予想されているようです。本年11月には大統領選挙もあるだけに、大統領選のゆくえにも影響をもたらしそうです。

 【いただいたもの】

Dsc_0028  北海道大学G-COEの紀要誌『知的財産法政策学研究』の第37号をいただきました。いつもいつもありがとうございます。

2012年3月29日 (木)

玉名温泉。

Dsc_0027 春ですわcherryblossom

 勤務校の桜も、三分咲きというところでしょうか。この週末には十分、お花見できそうです。来週半ばの入学式ころ、ちょうどよい感じではないでしょうか。

P1020649  おととい、きのうと、玉名温泉に泊まりました。玉名といえば、“”さんということで・・・。昨年もいったので、黒川あたりがいいと思っていたのですが・・・、どうも娘が玉名温泉が気に入ってしまって・・・、近くていいのですが・・・。

P1020652  玉名といえば“司”さんということで、着いた早々、“司ボウル”にいきました。ホテルのすぐお隣さんです。久しぶりにボウリングしました。この前やったのは・・・、いつのことだったか・・・(遠い目)。

 そのあとまたまた目の前にある“つかさの湯”につかって・・・

P1020661 夕食には、肥後牛をいただきました。

 熊本から1時間とかからないのに、自宅を離れると、仕事のことまで忘れられて、よい一日でした。

P1020677 よく日の朝食では、いちごをいっぱいいただきました。この時期の玉名といえば、いちごですよね~。

 といちごをお腹一杯いただきたあと・・・、子ども連れがいくところといえば・・・

P1020681  やっぱり、荒尾のグリーンランドです。平日とはいえ、春休みなので、それなにの人出でした。さすがは“西日本最大級”の遊園地です。

 まだ120cmそこそこの娘でも遊べるアトラクションもたくさんあり、それなりに楽しんで帰ってきました。

 子連れの休暇が疲れますよね~。“休暇の休暇”がほしいくらいです。

P1020644 そうそう、玉名では、“天琴”さんのラーメンをいただきました。玉名市高瀬にあります。龍の看板が目印。

 メニューには、「ラーメン」「大盛ラーメン」「ごはん(小)」「ビール(中)」「ジュース」しかありません。ようするにラーメンで勝負!ということでしょう。

P1020645  こんな感じでほどよい油をいただけるラーメンでした。

 

2012年3月27日 (火)

現地調査。

 またまた晴れそうです。きょうあたりから、気温も穏やかになるとのこと。

Dsc_0035 きのうは、県のお仕事で、旧矢部町界隈の山都町までいってきました。晴れていたとはいえ、ちょっとは寒かった。

 通潤橋に行きたいなぁ~(まだ、行ったことないので・・・)と思いながらも、淡々とお仕事。

Dsc_0024  と、その前に、きのうは午前(審議)・午後(現地調査)と一日拘束だったので、熊本テルサの“Vent Vert (ヴァンヴェール)でバイキングしました(1000円)。

 テルサカレーでパワーつけたあと、山都町にいって・・・

Dsc_0032 きのうの物権は、竹林でした・・・。公共事業のための用地収用の調査として、土地の現況や、そこにある動産、立木などの調査をしました。

 大学の先生も、人により、こんな仕事もしています。

 もう3月も後半、新学期準備がはやくも始まっています。入学式の翌日の新入生ガイダンスで教養教育についてガイドしないといけないので、きょうは、その「ガイダンスのガイダンス」で、午前中の身柄が拘束されています。

2012年3月26日 (月)

県知事選の週末に。

 少し寒いのですが、晴れそうです。

 きのう、県知事選挙がありました。結果は、現職の強みを生かして再選を果たす、という感じでしょうか。だれが知事でもまぁ、いいのですが、わがゼミからも4月から3名、県庁にお世話になるので、いきなり知事交代よりは、よかったのでしょうか。

 ところで、先日のある切っ掛けで、この週末はハンセン病にまつわる問題に関する文書を(ほんのすこし)読んですごしました。熊本に赴任して以来、この地が「らい予防法」に基づく「完全隔離政策」ゆえの大きな問題を残した地であることは、断片的な(ほんとに断片的な)知識としては知っていました。が、そのことをとくに学ぶこともなく、漫然とすごしてきました。ただ、ちょっとした切っ掛けで、このことを学んでおかなければならない、と思うことがあり・・・

 ということで、この週末にはいくつかの文書を(ほんのすこしだけ)読んで、そんななかで県知事選がありました。どういう政策が将来のわたしたちの生活をよくするものなのか、経済発展に資するのか、わたしにはよくわかりません。ただ、おおくの人がそういった一般的・抽象的願いを行政に、そして県知事に、託していると思います。そうしたなかで、政策は成功したり失敗したりしながら、行政は運営されていくと思います。

 ただ、決して失敗してはいけない(あるいは、間違ってはいけなかった)政策というのもあるのではないでしょうか。バンザイをする新知事をなんだか複雑な思いでみる週末でした。

 なんてことをいいますが、きょうはこれから県のお仕事で外出です。外部の者ではありますが、知事・県議会を通して県民のみなさまから委託をうけたお仕事(そんなに大げさなものではありませんが・・・そして、わたしが果たしている役割は定足数を満たすことにすぎませんが・・・)、ちゃんと務めようと思います。

2012年3月23日 (金)

卒部式。

 あさから大雨rainです。

 きょう、勤務校では卒業式がありました。全学での式典のあと、各学部にわかれて学位記授与式が行われています。われわれは“卒部式”と呼んでいます。

Dsc_0014 まもなく式が始まろうとしているところです。

 わがゼミ生も全員、卒業を決め喜んでおります。が、大学院に進んだ者、公務員受験準備をする者もいるので、彼・彼女らの進路がすべて決まるまで、ちょっと気がかりがあります。ただ、きっとうまくやってくれるでしょう。

 きょうは、ほんと大雨。なみだ雨でしょうか。とくに袴の女性は、ただれさえキツイのに、大変でしょう。まぁ、これも一生に一度しかない記念ということでしょうか。

 わたしもいまの職場になり、はじめて卒業生を出しました(というか、いままでどこでも4年間、勤務したことがなかったもので・・・)。きょうは、ゼミ生の他にも、そういえばむかし教えたなぁ~、なんて思いながら、卒業生へ詔書授与を見守りました。 

2012年3月21日 (水)

判例プラクティス 憲法

 新進気鋭の先生方のお名前が連なる「憲法判例研究会」編の『判例プラクティス 憲法』(信山社、2012年)をいただきました。

 ここに御礼もうしあげます。勉強させていただきます。

 近年、「百選」の牙城を揺るがすこうした判例集が続々と公刊されています。とくに最近のものは、LS教育を視野に入れ、不要な解説を省くと同時に、少数意見にも目配りしているところが特徴でしょうか。

2012年3月20日 (火)

送別会。

 春分の日、くもりです。

 昨晩、勤務校で3月末で退職される先生の送別会がありました。法学部・LSで退職される先生はお二人。一人は定年で、もう一人はご栄転での退職です。どちらも羨ましい限りです。やはり、残される者より、“出て行く者がち!”(なんて・・・)。実際には、いろいろな思いが錯綜していると思います。人生の一時期でも“同じ釜の飯”を食べた者として、このお二人に幸多きことをお祈りします。まぁ、この世界、なんだかんだいっても狭いので、またどこかでお世話になると思います。

Dsc_0013 ところで、二次会では“十徳や”さんにいきました。そこでいただいた“天草大漁盛”です(ん~、名前がどことなく違うような・・・)。ドライアイス、もくもくしてます。民法の重鎮お二人も参加され(とっても、お世話させたのは、別卓の相対的若手)、キー使いますものね(笑)。

Dsc_0015


 熊本・川尻の瑞鷹をいただきながら、ここからは、年度末の忘年会という感じ。そして、4月からの新しい仕事のことなど。

 大学の教員には、研究・教育の他に「学務」と呼ばれるお仕事があります。ちょうど、わたしの娘が学校で「整理係」をしているように、“クラスの係”のようなものがあります。通常は一年ごとに交代するので、この時期には、来年度、自分がどの「係」になるのか、ひじょ~に、気になります。あたり/はずれが(あたりはあまりないようですが)あるのです。そこには、これまたびみょ~な人間関係や巧妙なトラップがあったりで・・・。どろどろしてますね~(笑)(笑いたい)。

 てなことで、同僚先生を送り出し、今週末には卒業生を送り出し、そして新しい学生と同僚先生を迎え・・・と、毎年繰り返される春の光景です。

 【きのうの情報】 天草出身のあの先生が、秘石に願いを込め、降りかかる災いから除がれているとのこと。ほんと、「心が悪く」なりそうなときには、石にもすがりたくなります。わたしも除霊したい。

2012年3月17日 (土)

大学教員 採用・人事のカラクリ

 雨降りですrain

 ときに採用側にまわることもある昨今、他校のウラ情報などが書いてあるのかと思い、つい読んでしまいました。

 櫻田大造先生の『大学教員 採用・人事のカラクリ』(中公新書クラレ、2011年)です。櫻田先生、信州出身ということで、まえからお名前だけは存じ上げておりました。ということで、著者自身の体験談を記した「ちょっと長めのあとがき」に出てくる「県内で塾・予備校・高校を運営していた学校法人」の短大もどこのことかわかりました。この学校法人「信○会」のことですよね~。幼稚園も手広くやっていますよね~。

 ところで、この本、「採用・人事のカラクリ」となにやら意味ありげなネーミングです。どういうカラクリが書かれているのか、どういう採用実態があるのか、興味津々で読んだのですが・・・。結論からいうと、実にまともなことが書かれていました。博士号は、昔は「足の裏の米粒」といわれていたものですが、いまではスタンダードだと。博士号かそれに匹敵する単著本をもち、学会・研究会等でコミュニケーションをとり、たゆまぬ研究活動を続けている人が採用される、と。やっぱり、そうですよね~。“裏ワザ”を求めていた自分がバカでした。

 ただ、採用されやすい学問領域・科目もあるとのこと。そのキー・ワードは「少子高齢化、国際化、災害対策、安全、情報、政策、看護、社会保障、六法、実学系」のようです(225頁)。このなかに「六法」とあります。これは、憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法のことですが、この業界では、最近では行政法をくわえて「基本七法」と呼びますよね。LSバブルもあって、これらの科目は、いわゆる“売り手市場”とのこと。

 ところが、LSはどうなるのでしょうか・・・。先日の新聞にも、日弁連の合格者を1500名にしろ!との主張が掲載されていました。すでに廃校したものもありますし、来年度の入学者、A大は4名、B大は6名・・・なんてウワサも耳にします(イニシャルで書きたかったのですが、あまりにも衝撃的なので、自粛しました)。あぁ・・・、とはいえ、やっぱりしっかり研究しているなぁ~、と思う人はそれなりのところにポストを得ているのも事実だと思います。第一、就職のしやすさで、研究テーマを選ばないですものね~(いまなら、わかりませんが・・・bleah)。

 また、悲しき文系教員の実情も記述されています。いわく「雑務と教育だけで大学教師人生が終わってしまってもおかしくないのが、現在の文系教員の実情だ」(206頁)と。いまのこの業界は、学務もちゃんとできる人が求められています。この本にも、この点は強調されていました。なかなか、まぁ、ほんと、そうですよね~。ただ「教育活動・研究活動(社会貢献も含む)・雑務(学内行政活動)満点、人柄温厚、家庭生活円満」が望ましいのだが、それは「ないモノねだり」だとも(211頁)。

 意外とこの業界も厳しいのです!

2012年3月14日 (水)

大学の先生のマラソン(マラソン後日談として)。

 晴れましたsun

 ヒマ、ではありませんが、ネット・サーフィンしていたら、つぎのような情報が得られました。

 まず、iPS細胞で有名な京大の山中伸也教授(49)は、研究の寄付金を募る目的でフルマラソンに参加し4時間3分で完走したとのこと。見事なのは、インターネットで募った寄付金が888万円dollarに達したことです。そうか!その手があったか。来年は・・・

 それ以上に、弘前大の小松尚夫教授は、35歳で参加した2000年のびわ湖毎日マラソンで2時間22分のタイムを出したとのこと。また、2009年(ということは44歳ということでしょうか)の福岡国際マラソンでは2時間29分57秒のタイムで完走したとのことです。

 888万円も2時間22分も、とってもすごいことです。

2012年3月12日 (月)

植木にドライブ。

 晴れています。朝、震度2程度の地震がありました。震源地は菊池のようです。後期入試当日なので、無事終わるとよいのですが。(火災報知器も誤作動していました)。

Dsc_0010 きのう、植木の“桃のお花見会”にいってきました。田原坂近くにあるリサイクルプラザ(廃品回収施設)の横のテントのなかで、第8回目の開催のようです。

 最近、あまりどこにもいっていなかったので、近場でごまかしました。

Dsc_0017 そのあと、3号線を植木インターを越え農免道路を通って・・・、ちょっとわかりにくいところにあるのですが、“はなみずき”という温泉施設に行きました。施設といっても、10の家族風呂があるだけの、鄙びた感じのところです。

Dsc_0013 “しゅら”とネーミングされたお風呂を使わせてもらいました。

 泉質は、ナトリウム・炭酸水素塩泉(低張性中性温泉)で、お肌がツルツルします。美肌効果あり!とのこと。

Dsc_0021 かえりに、担々麺の名店として名高い“黒船亭”によりました。植木・ウエッキー横にあります。

 金胡麻の担々麺をたのみました。辛さは5段階の3(中辛)です。「中辛は辛い方の中辛です。大丈夫ですか?」という店員さんの忠告の意味を知ったのは、汗をたくさんかいた後のことでした。食後に杏仁豆腐を注文したのはいうまでもありません。

2012年3月10日 (土)

私たちがつくる社会

 関西大学の高作正博先生から『私たちがつくる社会』(法律文化社、2012年)をいただきました。ありがとうございます。アマゾンの画像が間に合っていなくて、申し訳ありません。

 本書の副題は「おとなになるための法教育」。そして帯には「法を学ぶということは、社会を知るということ スウェーデンの中学校社会科教育に学ぶ法教育の決定版」とあります。本書は、近年、つとにその重要性が指摘されつつある“法教育”のテキストです。これだけ簡便なものは本邦初だと思います。

 事前規制社会(護送船団方式)から規制緩和により、事後訴訟社会に移りつつあります。これからは、もっともっと自分の利益は自分で保護しなければならない社会になっていくのでしょう。

 これから“おとなになる”すべての人に広く読まれることをお祈りいたします。

2012年3月 9日 (金)

一連。

 あさの雨はあがり、いまは曇りですcloud。たまにおひさまもsun

Dsc_0012_2 お昼に、熊本・大江の産業道路沿いにある“博多麺屋 一連”さんにいきました。開店して1年半ぐらいになる、女性店主さんの、この界隈ではちょっと有名なお店です。

 お店の前はなんども通っていたのですが、なんとなく機会にめぐまれず、ようやく暖簾をくぐることができました。赤いテント屋根と“新店大賞受賞”の幟が目印です。カウンターのみなので、座れそうなタイミングをみて行くことをおすすめします。

Dsc_0009  ランチメニューをいただきました。本格豚骨スープですが、あっさりしています。麺は細麺で、ツルツルいけます。メンチカツを選んだので、つぎは唐揚げを試そうと思います。

Dsc_0010  ごちそうさまでした!

 

2012年3月 8日 (木)

国会運営の裏方たち

 くもり。春、来そうで、まだか。

 赤坂幸一・奈良岡聰智両先生編集の、今野彧男さんのオーラル・ヒストリー『国会運営の裏方たち:衆議院事務局の戦後史』(信山社、2011年)を読みました。

 衆議院事務局に長らく勤められ、戦後の議会運営に裏方として関わってこられた今野彧男さんへのインタビューをまとめられたものです。京大法学部の同期生(?)赤坂先生と奈良岡先生のお仕事に、まずは感服いたしました。

 どの本にもいろいろな読み方があると思うのですが、わたしはこの本のなかでとくに興味をもったのは、先例の扱いです。会議体での議事ではそのときそのときでさまざまな問題は発生しますが、そのなかで後の議事運営の参考になるもの(すべきもの)を先例として記録していくのが通例です。国会(正確には衆議院と参議院)にも『先例集』があり、そこに、のちの議事運営のために先例とすべきものが蓄積されていきます。ただ、日々の議事運営のなかでどれを先例としていくのかには、そのときどきの「先例集編纂者」の“目”が反映されます。また、『先例集』を改定してくさい、実体とは異なるものになったどの先例を削除するのか、そこにも「編纂者」の“思惑”が反映します。

 こうした先例の生成にどうして興味をもったかというと、国会の各院には憲法で議院自律権が認められています。これは、他の国家機関からの議会運営に対する干渉を許さない趣旨で各院に認められた権限ですが、この議院自律権を統制する規範として、先例、法規というのが存在しているからです。本書の161頁で赤坂先生が同趣旨の発言をされています。

 このように考えるなら、なにを先例としたのか、どうして先例となったのか、というとことにも憲法学は注目しなければならないはずです。二人の先生のお仕事は、これまでの憲法学では議論されてこなかったこうした問題を考える契機を学界全体にもたらしている点で、“大きな仕事”として評価されつつあります。

 また今野さんが議事部請願課におられたとき、当時まだなかった交通刑務所の設置に関する請願が「神戸の方からやって来る老人」からあり、その顛末についても面白い話しがあります。この老人は交通事犯者を一般の犯罪人と同じ刑務所内で同じように扱うのはおかしいとして、もっと開放型で教育刑的な措置をする刑務所を作るべきだ、という請願を何度も何度もするそうです。請願には国会議員の紹介がいるのですが、この主張はもっともなものですから、何人もの議員が紹介者に名を連ねてももらえたそうです。そうして交通刑務所が各地に設置させうようになっていくのですが、つぎはここ、つぎはここ、と場所まで指定して請願してくるそうです。今野さんがどうしてだ、と思ったら、その老人は不動産屋さんだった・・・、なんて話しが327頁あたりにあります。

 本書には姉妹編と呼べるものもあるので(いただいているので)、いずれ読みたいと思います。

 

 

2012年3月 6日 (火)

プチ帰省。

 暖かです。

P1020634 週末、プチ帰省してきました。画像は、そのときのものです。名古屋から長野の“特急しなの”の車窓から撮影しました。寒そうですね~。これは、長野から松本のあいだ、ちょうど明科あたりの風景です。長野市内は雪もなく、比較的暖かでした。

 この歳になると実家にも心配事がふえてきて・・・、なんだか大人って大変ですね。

P1020641 そういえば、キヨスクにマスコットがいるってご存じでしたか?わたしは知りませんでした。名古屋駅・新幹線ホームでみつけたので、撮影しました。“キヨ”と“キヨ”というようです。たいした旅のネタではありませんが・・・

 ということで、無事に帰熊しました。3月、春休みとはいえ、なんだかんだで忙しいですね。

 【今回の駅弁】 はじめて岡山駅で乗り継ぎしたので、岡山の駅弁です。

P1020625  岡山名物“桃太郎の祭ずし”です。お弁当の容器も、ももの形をしています。岡山が凝縮された一品でした。

2012年3月 2日 (金)

最高裁の暗闘

 あめrainだす。

 山口進・宮地ゆう『最高裁の暗闘』(朝日新書、2011年)を読みました。

 近年の最高裁に「変化の兆し」があると本書はいいます。最高裁の判事が、民意を、ある意味で意識し始めた(あるいは、そのことを判決に反映させはじめた)現象を、本書は分析しています。

 また「少数意見が時代を切り開く」と副題にあるように、過去には少数意見に止まっていたものが、ときが経つにつれて次第に最高裁の多数派に受け入れられていく、あるいは、はじめは1人の最高裁判事の見解だったものが、討議をかさね(ときにたくみな表現を選ぶことで)判決に影響を与えるようになったこともある、というような、最高裁における判決(意見)形成過程について、コンパクトにまとめてあります。

 わたしがとくに興味深く読んだのは「調査官」と最高裁判事の関係です。最高裁判決は、最高裁判所調査官(という裁判官たち)の「調査」と「報告」に基づいています。ときにこの調査官の調査・報告が判決の結論を方向づけ、ときに最高裁判事に突き返されたりして、調査・報告内容を修正したりしていく模様が随所で描かれています。また首席調査官を務めた人がのちに最高裁判事なったりで・・・、そこには人間模様もうかがえます。

 重要な最高裁判決には、そのもとを作成した調査官による「調査官解説」というものが公表されます(まずは、法曹時報に、のちに法曹会が刊行している『最高裁判所判例解説 民事(刑事)篇』に収録されます)。わたしが学部学生の頃は、ゼミでは、この「調査官解説」まで読んできたものですが・・・。たとえば、猿払事件の香城敏麿調査官解説なんて、有名なものもあるのですが・・・。いまではLS生しか読まないのでしょうか(LS生で読んでいない人はよもやいないと思いますが・・・)。

 なんて感じながら読了しました。

 最近、最高裁判事による、あるいは、最高裁判事についての書き物が増え、そういう意味でも、最高裁に「変化の兆し」がうかがえます。そういえば、比較的最近の判例時報(平成24年2月21日号)にも、退官後間もない泉徳治元最高裁判事による可部恒雄元最高裁判事を追悼する文章が掲載されています。

 アメリカでは最高裁判決の背景にある各裁判官の思想・哲学がよく人口に膾炙されます。まだわが国ではこうした「判例分析」は根づいていませんが、最高裁判決にふされた個別意見の分岐を執筆裁判官の人となりなどから読んでみることも、面白い法学の勉強かもしれません。

2012年3月 1日 (木)

卒判!

 あめrainです。いまは、ちょっとあがっているcloud

 きのう、卒業判定のための準備をしました。準備する委員会に属しているため。

 準備というのは、卒業要件単位を取得しているか、数だけでなく、語学の必須単位が満たされているか、教養はどうか、専門は・・・と、卒業予定者(ではない者も含まれている)の4年間の実績一覧表(4年より長い者もいる)に誤りがないかを、各人の成績原簿と突きあわせる作業です。とくに、本年度の卒業者から専門科目に縛りがあるため、法学部科目ならなんでもよいわけではなくなっています。というわけで、科目群と呼んでいるこの縛りのそれぞれの卒業要件単位数を満たしているかという“煩雑な”作業も、ことしの卒業判定にはくわわっています。

 というような作業を、勤務校(の少なくとも所属学部)では、教員チームが行っています。伝統校だからでしょうか。そういえば、入試準備でも、伝統校ならではの作業を経験しています。いままで勤務したところでは(伝統校ではなかったからか)こうした作業をしたことがなかったので、伝統なんだな~って、この時期に毎年感じます。

 そういうことで、4年に1度しかない2月29日、もうかったのか損したのか、学務に費やしました。

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