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2012年4月27日 (金)

あなたは、なに主義?

 きょうも晴れそうです。連休突入前日、というのに、午後からお外でお仕事です。

 新学期がはじまり1週間がたちました。まぁ、まだ試運転的でしょうか。それでも、連休明けから夏休みまでの怒濤の前期の準備、みなさんは整いましたでしょうか。

 そんななかで、わたしの2年生と3年生の演習科目では、本格的な憲法の議論に先立ち、みずからの憲法理論上の“立ち位置”をみつめるために、すこし旧い教材ですが、週刊東洋経済の2010年8月14日/21日号を利用して、“正義”について考えてみました。

 この号は「政治哲学」の特集なのですが、そこに「あなたは何主義?」と題して、48の質問で解答者の政治的自由度と経済的自由度をみて、そのバランスから、“リバタリアニズム”“コンサバティズム”“リベラリズム”“コミュニタリアニズム”のどの思想に近いのかを判定するゲームがのっています。これ、憲法理論としては面白いなぁ~、と思い、ゼミでやってみました。この4つの立場の違いは・・・、概ね、つぎのようになります。

 リバタリアニズム:政治的自由も経済的自由も国家による介入を拒む。

 コンサバティズム:政治的自由については伝統的道徳観重視(国家による一定の価値の保護をみとめる)、経済的自由は政府干渉を忌避。

 リベラリズム:政治的自由としては個人の自由を尊重。ただ経済的自由を制約してでも福祉国家的政策をのぞむ。

 コミュニタリアニズム:政治的自由についても共同体の価値観を重視し、経済的自由についても社会連帯による福祉政策の実現を臨んでいる。

 3年生20名、2年生18名を対象に実施したら、非常に興味深い結果になりました。個別にどうこうということではないのですが、3年生のほとんどが、2年生でも半数以上が、リベラリズムまたはコミュニタリアニズムに立脚していた、ということです。このゲームのようなクイズのような調査で正確な政治思想の判定というわけにはいかないと思うのですが、それでも熊大法学部の2・3年生(の憲法ゼミ生)は、政治的自由については個人的価値/伝統的価値、いずれの価値を重視するかはわかれているのに対して、すくなくとも経済的自由については、その理論的理由づけは異なるとはいえ、国家による福祉国家的政策を支持する傾向にあるようです。

 これ、わが国の政治思想の傾向として、どうなのでしょうか。わが国の縮図なのでしょうか、それとも大学生の縮図なのでしょうか、それとも熊本の・・・。いずれにしても、次世代を担うであろう学生は経済的自由は重視しない傾向にあるようです。

 と、まぁ、講義1回分を“かせぐ”ためのちょっとした余興でしたが、それなりには面白い余興だったように感じました。

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