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2012年6月30日 (土)

オバマケアに合憲判決。

 突然、雨がつよくなりましたrainrainrain

 もう6月も最終日となり、そろそろ定期試験が気になりはじめました(なにを出題しようか、という意味で)。

 ところで、このブログでも、本年3月30日の回でとりあげていた「オバマケア」と呼ばれる米医療保険改革法に、連邦最高裁は合憲判決を下しました(28日)。

 3月30日のブログは、ここからどうぞ。

 争点は、国家運営の医療保険制度に加入しない者に「罰金」を科す「個人加入条項」が契約の自由に反するのではないか、という点にありました(と思っていました)。が、

 連邦最高裁は、保険加入を個人に義務づけることはできないとしながらも、非加入者に科す「罰金」は「課税」と解釈できると判断しました。この辺のロジックは判決文を検討しないといけませんが、連邦最高裁は、本件は、保険加入の義務化が争点だったのではなく、いわゆる間接強制の手段としての「罰金」を科すことの合憲性が問われていた、とみたのでしょう。いずれにしても、オバマ政権の目玉政策には、合憲の判定が与えられました。

 ところで、連邦最高裁は9名の裁判官で構成されています。本件は、5対4の僅差での判決でした。本年実施される大統領選での対立候補のロムニーさんは、この「国民皆保険制度」の是非を大統領選の争点にする、とのこと。憲法上要請されていない(それは、わが国でも同じだと思いますが)政策は、民主制のもと、主権者(有権者?これが同一概念であるかも検討の余地がありますが)の政治判断に委ねられた、ということでしょう。

 平等は、自由の制限により、実現されます。社会保障政策とはいえ、それが所得再分配機能をもつとき、やはり財産権の制限により実施される、と見るべきでしょう。自由を至上のものと考える彼の国にとって、医療保険の重要性は理解しても、なぜ国家運営の保険制度に加入しなければならないのか、という点には疑問があるのでしょう。それは、医療保険制度を通じた、所得再分配政策に陥るからということなのでしょう(わが国のように)。

 憲法は自由も平等も、といいます。でも、平等は自由の制限により成り立つ、と考えたとき、自由と平等のバランスが“憲法に書かれていない”ことにも気づきます。このバランスをどこでとるのか、ここが主権者(有権者)の判断に委ねられているのは、アメリカでも日本でも同じことではないでしょうか。

 社会保障を充実させようとすれば「大きな政府」が要請されます。「大きな政府」を運営するためには財源が必要で、で、消費税が上げられようとしています。わが国の主権者(有権者)は、この憲法に書かれていない政策について、どの程度の水準を求めているのでしょうか。どの程度の財産権の制約なら許すのでしょうか。

 ボーナスから「ごそっと」引かれていました。ボーナスをいただける有り難みを感じつつも、もっともっとという国に……。

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