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2013年1月 6日 (日)

「弱くても勝てます」

 sun きょうも、温暖。はれ。

 年末年始の帰省の途上、数冊の本を読みました。そのうちの1冊、高橋秀実さんの『「弱くても勝てます」』(新潮社、2012年)を紹介します。

 かつての同僚先生のご紹介をうけ、この本を知りました。本書は、東京の開成高校という、誰もが知る超進学校の野球部のお話しです。そこでは、常識をやぶる野球セオリーが生みだされていました。

 通常の野球セオリーというのは(とくに、高校野球でのそれは)、投手力を中心に守りを固め、攻撃はコンパクトなスイングを心掛け、ランナーはバントなどで確実に進めて得点していく。1点を大切にし、最少点でも、“守り勝つ”というもの。

 ところが、本書、あるいは、開成高校野球部は、これは“強い者のセオリー”であるといいます。もともと野球がそれほど上手いわけではない(いや、端的にいってヘタな)、そして練習時間も限られている(開成高校は、週に1回しかグラウンドを使えないそうです)、とにかく打って打って相手の戦意を喪失させる、というのが作戦とのこと。その結果が、東東京大会でベスト8入りしたときの戦績、すなわち、

 1回戦:10-2、2回戦:13-2、3回戦:14-3、4回戦:9-5、5回戦:3-10(このあと優勝した国士舘高校に敗戦)

 にあらわれています。こうみると、なんのなんの、意外と強いのでは?と感じますが、本書を読むと、その“弱さぶり”が随所にみられます。たとえば、開成高校のポジションの決め方、監督によると、

 ピッチャー:投げ方が安定している。

 内野手:そこそこ投げ方が安定している。

 外野手:それ以外。

 野球をしたことはある生徒が集まっているようではありますが、まぁ、究極的にいえば、そういうことかもしれませんね。どこぞの教員チームも、こんな感じですものね・・・

 こういう開成野球部の野球に対する姿勢が本書のテーマです。開成だけに“理屈をこねる”生徒ばかりなのですが、その理屈が実に“素直”なのです。その素直さ加減を、著者の筆が忠実に再現していて、面白い本でした。

 また「弱くても勝てます」なんていう題名に暗示されているように、人生哲学につながる表現もあったりで、帰省の途上、充実した鉄路になりました。

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