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2013年1月12日 (土)

薬のネット販売を禁止する厚労省令に無効判決。

 きょうも sun

 最高裁は、きのう、薬のネット販売を禁止した厚生労働省令(薬事法施行規則)に無効判決をくだしました。

 薬の販売に関しては、2009年に、薬事法が改正されました。それによると、薬の副作用リスクに応じて薬が3分類され、リスクが高い「1類」(胃薬や毛髪薬など)と「2類」(風邪薬、漢方薬など」以外は、薬剤師のいない店舗での販売が許されるようになりました。ところが、厚労省は、同時に、これらをふくめて薬のネット販売を禁止する省令を定めていたのです。

 こうした省令による販売規制について、その効力が争われていたところ、きのうの最判は、薬のネット販売を一律に禁止した厚労省令について、2009年改正薬事法の委任の範囲を逸脱する省令であるとして、無効判決をくだしたのです。ポイントは、職業活動の自由論(22条)というよりも、委任立法論(41条)で結論を導いている(「国会中心立法の原則」に反する)、というところでしょうか。(法律論レベルの議論としては、本件薬事法施行規則は、行政手続法38条1項に反するので無効である)。

 この判決により、薬剤師が顧客に薬の情報を提供できる体制が整えられているなら、薬のネット販売も可能になったことになります。もうすでに、実施されてもいるようです。ただ、うえで触れたように、本件は、22条ではなく41条で勝負されています。つまり、薬のネット販売規制自体を問題にはしていません。厚労省は、新しい規制ルールの検討に入ったようです。

 なんとなく「規制改革」の象徴的存在として扱われてきた薬のネット販売に関する判例なので興味深い結論でした。

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