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2013年2月18日 (月)

吉本隆明という「共同幻想」。

 あさから、rain です。きのう、マラソンを走った方、お疲れさまでした。男女とも、昨年の優勝者が連覇。そして、あの川内さんも、熊日30キロ部門で、どうどうの優勝とのこと。

 ところで、抽選で外れたわたしは、この週末、呉智英さんの『吉本隆明という「共同幻想」』(筑摩書房、2012年)を読みました。

 「よくわからんが、とにかくすごい」ということで、学生紛争時代に多くの読者を獲得していた吉本隆明さんですが、その主著のひとつに、『共同幻想』(1968年)があります。

 これは、国家、法、家族といったものが、個人と世界との関わりのなかから立ち現れる「幻想」である、と論じたものです。この本の表題をもじって、吉本隆明が“とにかくすごい”とされてきたのが「共同幻想」なのだ、と喝破したのが本書です。たしかに吉本本の難解さは、飛び抜けています(わたしなど、あまりにも難しすぎて、最後まで読めた本、ありません。お恥ずかしいことに)。これを“なんだかすごい”とするのは「幻想」・・・、かもしれません。

 また、この本の興味深いところは、著者の大学1年のときに視点で書かれていることです。当時(著者は1965年大学入学)の大学生は、吉本隆明ぐらい読んでいるのが普通で、大学入学まで読んでいなかった著者は、友人・先輩から、吉本も読んでいないのか、と「マウンティング」(マウンティングとは、猿の群れの中で上位者が下位者に自分の優越性を誇示確認するために交尾類似行為をとること、との説明があります)され、必至で読んだとのこと。当時、大学生といえば、やはりすごかったのですね。わたしなど、大学1年のときには、きっと吉本隆明という名前も知らなかったと思います。

 ともあれ、“大衆不可侵、啓蒙不定”という吉本の教義がいかにもおかしい、というのが本書のモチーフです。また、自らのことを知識人ではないとする吉本にも、自らのことを知識人の端くれ(謙遜であろう)とする著者からすると、胡散臭いものを感じたのかもしれません。吉本隆明が知識人でないとすると、一体だれが・・・ということになりますものね。

 たしかに、自分のことを知識人なんていう人、あまりいないと思います。でも、知識人に、市井の人を啓発する役割が負わされているのも事実だと思います。それだけ、知識人に負わされている責務は重い、というところでしょうか。

 かくいうわたしも、大学人ということで、やはり「知識人」の端くれ、ということなのでしょうか。そうだとすると、知識人になりきれきれていない自分を、歯がゆくも思います。それでも、一定のベクトルをもつ知識を切り売りすることを生業としている者として、もう少し自覚的に生きていかなければならないところでしょう。

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コメント

大日方さん、こんにちわ
仲地博です。なんども論文いただきながら、御礼のはがきもさしあげることなく無礼に過ごし、お恥ずかしいかぎりです。筆不精の県民性を典型的に持ち合わせています。乱雑につみあがった机の上を片付けようとして、「特許と憲法」がでてきました。
毎度ながら、力作で琉球大学はいい学者を出したことを嬉しく思います。
私は、沖縄大学に来て4年、頭と体が元気であれば後3年副学長を務めます。元気である自信がないのですが。小人閑居して不善をなすといいますから、せいぜい社会のお役に立てるよう頑張ります。
あちこちさがしてこのブログを見つけました。この礼状が届くことを祈っています。いよいよのご活躍を記念します。

 仲地先生からコメントをいただくとは夢にも思っていませんでした。いつもお目汚しばかりで、お恥ずかしいかぎりです。
 それにしても、副学長をお務めとのこと、いまの大学はなにかと気苦労が多いことと存じます。お体には、ご自愛下さい。
 ところで、琉大の先生方には、時宜に応じてご挨拶させていただいておりましたが、同期生とは、疎遠になり残念に思っていたところ、偶然にも、たまたまウェブでわたしが熊本にいることを知った同期生から、2日前にメールをもらいました。短いやり取りでしたが、懐かしい名前が文面に見られ、琉大のことを思い出していたところ、先生からもコメントをいただき、今週は2度も、琉大の頃のことを思い出す機会をいただきました。偶然というのは、すごいですね。
 琉大で学べたこと、いまでも感謝しております。まだまだご恩返しにはいたっておりませんが、これからも大学の名を汚さぬよう、精進していこうと思います。

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