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2014年8月23日 (土)

永遠の0。

 sun。残暑お見舞い申し上げます。

 昨日、一昨日と、広島県旧吉和村にある師匠の別荘にいました。

 院生の頃からかれこれ15年ぐらい、夏になるとこの別荘で「合宿」しています。はじめは、テニスラケットやグラブの他に、ロー・レヴューなどももって、高原の涼しいところで、まずは勉強会して、そして、テニスして・・・という感じだったのですが、いつの頃からか、テニスとキャッチボールと薪割という感じで、今日に至っています。

 先生のライフスタイルをみて、いつかはこういう「豊かな」生活をしたいと思いつつも、まだ、官舎住まい。わたしの「人間の小ささ」はライフスタイルに原因があるのでは、とか思ったりしています。

 で、熊本からピックアップしてもらう広島までの新幹線の車中は、読みかけだった百田尚樹さんの『永遠の0』(講談社文庫、2009年)を読んで過ごしました。解説を含め、文庫版で600頁弱を書評する力はわたしにはないので、簡単なメモ書きを。

 本書は、本当の(血のつながりのある)祖父が別にいることを知り、しかも、それが零戦のパイロットとして特攻によって命を落としていることを知った姉弟が、その人物像を戦友たちの証言をもとに追っていく、というストーリーです。そのなかで、太平洋戦争の実情や海軍の夜郎自大さ、そして、謎めいた祖父の生き様等が、描き出されています。

 そして、そのなかで、祖父は、一面で「臆病者」と揶揄されています。それは、皆がお国のために死をも辞さないというなかで、「生きて家族の元に帰りたい」と公然と口にしていたからです。しかし、それは、決して臆病、ということではない。命を粗末にしてはいけない、というメッセージだったのです。それを、祖父に関わった多くの戦友の口で、著者は語らせています。

 また、戦争というのは「綺麗事」ではなく「所詮は殺し合い」である、特攻パイロットは9・11のテロリストと同じ心理構造にある、海軍(陸軍も)の官僚主義が戦争の原因である、戦後高度経済成長を経験したが「道徳」が失われた、というようないくつかのサブ・テーマが散りばめられていて、その都度、読者の思考を促しています。

 さらに、戦争の現実、そのなかである特攻隊員の生き様を基底に、幾分打算的な姉、そして、司法試験を諦めつつあった弟(主人公)が、みずからの生き方を問うていく・・・

 でな感じの物語でした。太平洋戦争をテーマとしたこうした小説を読むのははじめてで、また、こうした小説を評価する立場にわたしはありません。ただ、これは百田尚樹さんのデビュー作とのこと。他のものも読んでみたいと思わせる本でした。

 

 

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