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2014年12月28日 (日)

闘うための哲学書(4)・完

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 年末感ないけど、帰省の日が近づいているとこ見ると、年末なのだろう。論文書きを少し休んで読書記録を。

 ついに、小川仁志×萱野稔人『闘うための哲学書』(講談社現代新書、2014年)も最終回まできました。

 18冊目。ロールズ『正義論』ロールズは、本書で功利主義に代わる正義を構想しました。それは公正を分配という観点からとらえた「公正としての正義」論です。基本的自由の保障、機会の均等、そのあと、自由競争を修正する格差是正が正当化されるという「正義の二原理」で、リベラリズムの法思想を提示しました。また、分配の手続を「正」、実体を「善」と表現し、分配の手続(正)を実体(善)に優先させるというところにも特徴があります。

 なんだか結構前ですが、わたくし、ロールズ研究していたんですよね~(遠い目)。一応、隠れていますが、研究業績もあるんですよね~(遠い目)。なんだか、あの頃が懐かしいですね~(遠い目)。

 19冊目。ウォルツァー『正しい戦争と不正な戦争』戦争を道徳的に限定するとり組みです。戦争を「正しい」、「正しくない」という基準で論じようとしています。そこでは「戦争への正義(jus ad bellum)」と「戦争における正義(jus in bello)」という二つの規範が各々別々に正当化されなければならないとされています。

 コミュニタリアンであるウォルツァーは、政治の土台として、そのコミュニティがつくり上げてきた共通の生の価値を重視しています。これを破壊しようとする外敵に対する自衛戦争は「正しい戦争」であるとして正当化されています。

 20冊目。福澤諭吉『学問のすすめ』福澤は、学問する意義を「一身独立して一国独立す」と説きました。「天は富貴を人に与えずしてこれをその人の働きに与うるものなり」。冒頭の有名な一節(天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず)は平等を説いたものではなく、勤勉の意義を説いたものということも、最近ではお馴染みか。「賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるに由って出来るなり」といいます。

 ところで、citizen に「市民」の訳語をあてたのは福澤諭吉が最初とのことです。

 21冊目。西田幾多郎『善の研究』西田は海外で最も有名な日本の哲学者で、京都学派の総帥です。無限(infinity)のことを「無」と論じる西田哲学には、わが国オリジナルの無限感がみられるとされています。

 22冊目。和辻哲郎『風土』これは、思想、倫理は風土の影響をうけることを主張したものです。本書はヘーゲルの歴史哲学が念頭に、その克服を試みた書といえると思います。ヘーゲルは、近代ヨーロッパこそ歴史の終着点で、他の地域はその前段階であるとしていたので。和辻は、それぞれの地域はそれぞれの風土のもとに独自の文明を発展させてきたのである、と言いたかったのです。

 なんだか、こういう哲学解説本に接するたびに、じっくり読書出来ていないなぁ~、と感じます。本を読み、研究論文を書くことを仕事にしているはずなので、読書する機会は多そうなのに・・・。

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