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2015年1月 9日 (金)

『自然・人類・文明』

 sun。少しずつ、陽が長くなってきたように思います。

 帰省読書の第2弾、F・A・ハイエクと今西錦司の対談『自然・人類・文明』(NHKブックス、2014年)です。

 本書は、ノーベル賞経済学者のハイエクと独自の進化論を提唱することで西洋的生物観に異を唱えた今西錦司による1978年に行われた対論が収録されています。

 その対論は、標題の「自然」、「人類」、「文明」をそれぞれテーマに、3回、行われており、本書には、この他に、ハイエクの「人間的価値の三つの起源」、今西の「進化と突然変異」、そして、ハイエクと桑原武夫の対論「経済発展と日本文化」も附論として、収録されています。

 ハイエクは、自然科学でいう「自生的体系」、自身のいう「自生的秩序」をダーウィン的適者生存の理論をモチーフに展開しています。これに対して、進化というものは、自然選択とかそういうものではなく、ただ「変わるべくして変わっていく」、ただそれだけのこと、と今西は応酬していきます。

 ハイエク進化論と今西進化論の衝突で、わたしの新年はあけました。

 進化論といえば「ダーウィン進化論」しか知らなかったわたし(もっとも、その正確な理解はありません)、わが国に今西錦司というどうやら「知の巨人」らしき人がいたことは知っていたものの、何をご専門にされていたのか、ちっとも知りませんでした。

 本書の対論は、1978年当時のもの。これ以降、進化論はどのような展開を見せているのかわかりませんが、ダーウィン進化論って、けっこう怪しんだなぁ~、と思いました。

 【以下、メモです】

 「とにかく適者が生存したという確証がないのに、結果論的にみて、生存したものはすべて適者であるというのは、論理の逆立ちである」(今西・60頁)。

 「言語、道徳、法、金銭などの文明の基本的道具はすべて、設計の結果ではなく自生的成長の結果であり、後者の二つについては組織化された力がそれらを掌中におさめ、すっかり腐敗させてしまいました」(ハイエク・133~134頁)。

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