無料ブログはココログ

わたしの著書

  • 憲法Ⅰ 総論・統治機構論
  • 憲法Ⅱ 基本権論
  • 著作権と憲法理論
  • ロールズの憲法哲学

« 速報! 憲法Ⅱ。 | トップページ | 「熊大カフェ」。 »

2015年8月10日 (月)

先週末のこと。

 sunsunsun

 先週末の土曜日、勤務校ではオープンキャンパスが開催されました。

20150810111902 わが社では、午前中の形式的意味での「オープンキャンパス」のあと、午後から「体験入学」というのが実施され、大きな教室での講義を聴いた後、20名程度のクラスにわかれた模擬ゼミを「体験」してもらいました。

 わたしも「代理出産 是か非か」というテーマで、模擬ゼミをしました。

20150810111956 子どもをもつこと、家族をもつことは「憲法上の権利」であると考えられるけど、夫婦の約1割が不妊に悩んでいるとのこと。そんななか、生殖技術の進歩により、さまざまなかたちでの人工生殖が安全に利用できるようになってきています。そのうちのひとつに、代理出産があります。そうした手段を利用してでも子どもをもつ権利はあるのか、他人に子どもを産んでもらうという契約は、はたして公序良俗に反しないか・・・、ゼミでは、ひとしきりわたしが基本知識をお話ししたあと、ゼミ生に手伝ってもらって、5~6名ずつのグループになって、いろいろ議論してもらいました。

 翌日の日曜日は、久しぶりのオフということで、佐藤幸治先生からいただいた『世界史の中の日本国憲法 立憲主義の史的展開を踏まえて』(作品社、2015)を読みました。

 本書は、本年6月6日に石川健治先生の招きにより東大法学部25番教室で1400人の聴衆を集めて行われた講演に加筆されたものです。

 前半は、 「8月15日」とは、「ポツダム宣言受諾」の意味、そして、立憲主義とは何かといった、戦後70年を迎えようとしているわが国へのメッセージとも言える内容です。

 そして、本書の本体部分で、佐藤先生は、

 ① 否定的見方があるとはいえ、立憲制度の定着発展に漸進的にとり組んだ明治政府の経験。

 ② その結果「大正デモクラシー」という憲政の常道をもちえたこと。

 ③ これにくわえて、ポツダム宣言の趣旨を含めて当時の世界動向についての知識や経験を持ち得たならば、

 当時のわが国の国民は、自らの手で日本国憲法に近いものを作り得たのではないか、と推測されています。そして、

 「日本の国民が70年近くにわたって日本国憲法を支持し、様々な問題や困難に直面しつつも真面目にその運用に努めてきたということは、自らの手でこのような憲法を作った可能性を結果的に証明しているのではないか」(85頁)とも。

 最後に、歴史的経験的蓄積の中で築かれてきた規範(憲法)が各国の統治の「土台」として根づきつつある中で、日本国憲法という「土台」に基づく統治が揺らいでいるとさ、有力な政治家から“日本国憲法無効論”が説かれるわが国の現況を悲観されています。

 これから憲法学を継いでいかなければならない者(わたしは、送りバントをする2番打者か、相手のエラーでもいいから塁に出てトップバッターにつなげる9番打者ですが)にとって、憲法学の碩学の書物は眩しく輝くばかりです。

 

 

« 速報! 憲法Ⅱ。 | トップページ | 「熊大カフェ」。 »

お仕事」カテゴリの記事

読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/499918/61109688

この記事へのトラックバック一覧です: 先週末のこと。:

« 速報! 憲法Ⅱ。 | トップページ | 「熊大カフェ」。 »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31