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2016年9月16日 (金)

第2回熊本公法研究会

 cloud。まだ暑い。

 きのう、第2回熊本公法研究会を開催しました。

 この研究会の立ち上げの趣旨、第1回研究会の様子は、こちらをご覧ください。

 第1回熊本公法研究会

 で、きのうの第2回研究会では、崇城大学の清水潤先生に「アメリカ史における『憲法上の権利』とコモン・ロー:19世紀後期を中心に」というテーマで、研究報告していただきました。

 アメリカ憲法はイギリス憲法の思想を継承していたので、制憲期には、「憲法上の権利」に関する議論に欠けていたこと(一定の権利、利益が保護されることは自明だったので)。成文憲法の中心は連邦制国家のあり方、連邦権限の限定にあった。

 そして、そこでの法思想もコモン・ロー中心に形成されていたけれども、工業化・産業化をうけ、しだいに人が法を作る思想(デモクラシー)に重心が移っていった。

 また、南北戦争後、戦争に勝った北部側は南部の旧奴隷の権利を連邦権限つかって保護しようとしたために、州に対する連邦権限が増加していったこと。

 ということで、次第に憲法もふくめ成文の法の存在感が大きくなっていったこと。

 うまくまとめられてはいませんが、これらのことを勉強しました。清水先生は、お若いながらも、アメリカ憲法思想史の研究では第一人者といっても過言ではない方。熊本にもこういう研究者がおられるということに感銘をうけました。

 きのうは、鹿児島大学からも聴講者が出たので、熊本公法研究会ならぬ「南九州公法研究会」となりました。

 そのあとは、懇親会beerwinebar

 そこでは、憲法学者の「世代」の話になりました。憲法学者の世界では「55年組」というひとつの「世代」があります。偶然か、1955年に生誕された憲法学者には、大きなお名前の先生が多いのです。

 で、わたしの「世代」はというと、実は、バブル期で大学院にまで進む人が少なかったので(就職できたので)、あまり研究者になっている人がいません。ただ、1965年から1970年あたりに生まれていま50歳か少し下の先生方をみると、昨日の懇親会での話題にもなりましたが、憲法を哲学的に探究するところからはじめた先生が多いようにも思います。わたしが研究者の道を歩み始めた頃、英米の規範的正義論が、一種の流行期にあったと思いますので。

 かくいうわたくしも、ジョン・ロールズの正義論から研究をはじめました・・・。そんなときもあった・・・(遠い目)。

 いまはどういう傾向にあるのでしょうか。法学が実務よりに傾斜しはじめて久しい現在、きのうの清水先生のような歴史に根ざした憲法研究の意義は非常に大きいと感じました。

 

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コメント

過分なご紹介をいただき、また、このような貴重なご機会を設けていただき、誠にありがとうございました。
今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

コメント、ありがとうございます。大きな憲法観につながる興味深い研究でした。これからもよろしくお願いします。

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