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2017年4月13日 (木)

憲法Ⅱ(第2回)。

 sun cherryblossom、まだいけますね。

 憲法Ⅱは半期4単位ということで、すでに、きょうが第2回の講義です。

 (0) まず、通例にならって「かえってきたSBS」の解説から。ここでは「統治/政治」の区別の例として、なぜ「与党党首の就任」と「内閣総理大臣の指名」(前者が「政治」で後者が「統治」、青本P3参照)を例に説明しているのか「ピン!」とはこなかったという質問について、たしかに、わかるものだと思い込んでいて丁寧に説明していなかったなぁ、と思いました。これから、より丁寧な説明を心掛けようと思いました。

 で、なぜそれを例にしたかというと、与党党首と内閣総理大臣、通常は、同一人物ですよね。というか、与党の党首に就任した人が国会で内閣総理大臣に指名されてきています。ところが、前者は「政治」なのでとくに党首を選ぶ手続等を規律している法令(国法)はないから政党という結社の内部で自由に決めていい、ただ、内閣総理大臣の指名は「統治」なので憲法をはじめとする国法の統制がある。となると、実際には、前者の方を法令によって統制しないと、、、ですが、政党も結社なのでその自律権は憲法で保障されている(21条1項)。で、どうすべきか、、、

 これを例に出したのは、「統治/政治」は「コインの表裏の関係」にあるということも示したかったからです。みなさんは憲法とともに政治学も学んで「で、どうするか」というところに自分なりの見解をもてるようになってください。

 (1) 講義の前半は、前回は近代的意味での立憲主義についてお話ししたところで終わっていたので、それが現代的意味での立憲主義に変容(「立憲主義の変容」、青本P5~P6参照)しているというお話しをしました。そこでは、つぎのことについて講義しています。

 ① 現代立憲主義の要請は、近代立憲主義のもたらした負の遺産(貧富の格差、経済恐慌、失業など)を解消にある。

 ② そのために、憲法は、国家が市民生活に積極的に介入、配慮することを求めている。

 ③ 日本国憲法には、そのことを政府に要請している規定(社会権規定)もある。

 ④ 但し、それは、同時に、わたしたちの自由な生活に政府の干渉を許す論拠ともなっている。

 どうでしょう、みなさんは、いまの立憲主義をどう評価しますか?

 (2) 講義の後半は項目がかわって「日本憲法史」にはいり、明治憲法の制定動機をお話ししました。それには、憲法をもつ近代国家になって江戸幕末に締結させられた不平等条約を改正するという「外的要因」と、民権運動を抑制し天皇支配体制を確立するという「外的要因」がある、と説明しました。

 (3) 教科書(青本)のP3~P25までは、昨年の「憲法Ⅰ(基本的人権)」で講義している(はず)なので省略しています。復習を兼ねて、一読しておいてください。わからないところがあったら、遠慮せずSBSで。

 次回は、わが国はなぜ太平洋戦争をしてしまったのか明治憲法との関係で簡単にみたあと、日本国憲法制定過程における議論を解説する予定です。そこにでてくる憲法改正論議は、5月の「憲法ウィーク」でも例年盛んに議論されていることだと思うので、自分なりの見解をもてるように講義を聞いてください。

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