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2017年6月15日 (木)

憲法Ⅱ(第16回)。

 きょうもはれsun。つゆ、どこいったんでしょうね。

 ということで、憲法Ⅱの第16回講義のレビューです。

 本日の講義は、本体にいくまでに、時間がかかってしましました。あさ、改正組織犯罪処罰法が参議院本会議で可決、成立したからです。この法律案審議手続(中間報告)についてふれないわけにはいきませんものね。

 国会法56条の3には中間報告手続について規定されています。通常なら委員会に付託された法律案は国会法53条の手続により委員会(今回の場合には法務委員会)で採決されたあと、その結果について委員長が本会議で報告して、そのあと、本会議で採決手続にはいるという手順で審議されています。

 ただ、上の国会法56条の3第1項には議院から委員会へ要求する形式で中間報告手続について規定されていて、同条2項では「特に緊急を要すると認めたときは」(委員会採決を経ずに)「議院の会議(つまり本会議、引用者)において審議できる」ときあります。

 今回の法改正はこの手続を使ったというわけですね。政治的にはいろいろ批判があるところでしょうが、法学的には、今回が「特に緊急を要する」場合に該当するのか否かが気になるところ。ただ、学問的には批判できるのでしょうが、議院運営には憲法上の議院自律権が認められていることからすると、学問的に批判することもあまり生産的ではないような・・・

 で、SBSでは、おもに前回の国政調査権との関係で「参考人招致」(国会106条)について質問があったので解説しました。

 講義の本体部分は、

 (1) まず、国政調査権の限界について前回積み残していたので、そこからお話をはじめました。国政調査権の限界については、① 司法権との関係では司法権、裁判官の独立との関係に、② 行政権(含・検察権)との関係では職務上の守秘義務との関係に、③ 国民の権利との関係では、証人として召喚された者の憲法上の権利に注意すべし、と講義しました。プリントP39の問題について、SBSの最後に解答を【講義補遺】としてつけているので、それを参考にしつつ青本P189~P191で復習してください。これ、公務員試験に記述問題としてよく出ますので。

 (2) つぎに、議員の特権のところにはいり、まず、不逮捕特権(憲50条)について解説しました。不逮捕特権については、憲法50条の文言(「逮捕」、「会期中」、「法律の定める場合」←これ、国会法33条のことですが)について、不逮捕特権の意義に注意しつつ、復習してください。

 (3) 免責特権(憲51条)についても、その意義(古典的には国王権力からの議員の自由の保障、近時においては議員に発言、表決の自由を保障することによる議院審議の充実)との関係から、憲法51条の文言(「議員」、「議院で行った」、「演説、討論又は表決」、「責任」)の意味について、確認してください。

 また、免責特権の範囲については、病院長自殺国賠訴訟(最3判平成9年)の意義を確認してください。その判例をもとに考えると、① 国会議員の発言はいかなるものであっても免責、② 国の国賠法上の責任は「特別の事情」が立証されれば肯定、③ 但し、その場合でも憲法51条の効果から議員個人への求償(国賠1条2項)は認められない、というところだと思います。

 (4) さらに、歳費請求権(憲49条)も近代議会における代表のあり方(命令的委任代表を否定、純粋代表)を考えるうえで重要です。

 (5) で、最後に、なんとか「内閣」の章にはいれましたscissors そして、明治憲法下の内閣についてお話しましたので、プリントP42で確認しておいてください。明治憲法には内閣の規定がありませんでした。そこでは、天皇から直接任命された国務大臣が分掌について直接天皇を輔弼していたのですが、実際には、その輔弼の前に大臣間での意見統一が望ましいとの考えから内閣が置かれ、誰から代表して天皇に謁見した方がよいとの考えから総理大臣が置かれていました。また、大臣の任命についても、大命降下(組閣の要請)のあった総理大臣の推薦に基づき天皇が任命するという慣行があったとされています。

 やく2回まだ遅れていますが、なんとかするでしょう。

 

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