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2017年7月24日 (月)

憲法Ⅱ(最終回)。

 はれ。ということで、講義終わりにゲリラ豪雨に見舞われた憲法Ⅱの最終回講義のレビューです。

 (0) まずSBSでは、客観訴訟の意義そのなかでの違憲審査の留意点について、結構、お話ししました。これも、一面で国会による官僚団の統制手法ですが、反面で、司法の抑制にも関係する問題。憲法の「大局観」から回答してみました。

 (1) 本編では、あえてすべてを講義することをせず、残った問題はみなさんの自学に委ねることにして、統治行為論と似て非なる司法審査権の抑制法理をお話ししました。

 ① 政治問題の法理については、郵便貯金目減り訴訟を例にお話ししました。これ、結局は政府の経済政策の是非を問うものになっているのですが、だとすると、「法律上の争訟」性に欠ける(具体的には「事件性の要件」の第2要件に欠ける)と考えればよいと思います。統治行為論は、「法律上の争訟」であっても、直接国家統治の基本に関する高度の政治性ある問題には司法審査権の発動は控えるという法理論であるので、政治問題の法理とは異なることになります。

 ② 政治部門の裁量については、砂川事件を例にお話ししました。同事件では日米安保条約という高度の政治性ある条約の憲法適法性が争われたわけですが、このような問題は政治部門に与えられた外交処理権の範囲内の問題であると考えられるので、一見極めて明白に違憲無効と考えられる場合だけ、裁量権の逸脱濫用になる、そうでない場合には、不当であっても違法ではない、と考えればよいと思います。統治行為は司法審査権を行使しない場合であるのに対して、外交処理権については、司法審査権を行使している点が違うところです(政治部門に与えられている裁量権がものすごく広範なだけ)。

 (2) 講義の最後には、この憲法Ⅱでわたしがお話ししたかった統治機構論の見方を大局的にお話ししました。

 本年度も、無事、憲法Ⅱの講義を最後まですることができました。これもひとえに受講生のみなさんのお陰です。とくに、この学年は、質問カードをたくさんだしてくれたことで、印象に残る学年になりました。それだけ、講義にみなさんも参画してくれていたのだなぁ、と思います。わたしも勉強できました。本当に、ありがとうございました。

 あとは、来週の月曜にある定期試験を残すだけになってしまいました。試験勉強はみなさんにとって辛いものだと思います。ただ、辛ければ辛いだけ、みなさんの「憲法する力」はきっと伸びると思います。恐れず、怯まず、手を抜かず、果敢に挑戦してください。みなさんの健闘を祈っています。

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