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わたしの著書

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  • 憲法Ⅱ 基本権論
  • 著作権と憲法理論
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カテゴリー「憲法」の1件の記事

2015年2月 9日 (月)

憲法の学習法について。

 さ~むい、けど sun

 週末、1ヶ月おくれて法学教室1月号(412号)を読みました。そこに阪大の松本和彦先生と東大の宍戸常寿先生による「憲法事例問題を対話する」と題する昨年の「有斐閣法律講演会」も様子が掲載されています。

 その第2部の冒頭に憲法の学習法が語られていて参考になったので、ここで紹介します。

 憲法の学習の最初は「基本書」の通読からはじまるのですが、そのあと、判例を読んで、基本書と判例の間を往復することが重要である、とあります。つぎのようにありました。

 基本書に一般論として書かれていることが判例にどう生かされているのか、研究者がどのような判例の議論を踏まえて、肯定的な評価をしているのか否定的な評価をしているのかを、基本書と判例の間を行ったり来たりしながら読む(26頁、宍戸先生)。

 まずは定評のある基本書(熊大生にとっては、昨年出版したわたしの『憲法Ⅱ 基本権論』(有信堂)と、もうすぐ出版する『憲法Ⅰ 総論・統治機構論』(有信堂)がこの役割を果たせればよいのですが)を読む。そして『判例百選』などで判例の事実の概要と判旨をチェックする。そして、また基本書と・・・

 また、松本先生はつぎのようなことをおっしゃっています。

 とくに最高裁の判例は法律家の共同体において、それがあると認められるのであれば、それに従わなければならないという作法が確立しているものである。この判例は間違っている、あるいはこの判例はもはや先例としての価値がないと論証できる場合でなければ、判例に従わなければならない。ただし、見掛けの上で判例であると思われる場合であっても、それをそのまま適用すると自分の不利な結論になると思われる場合には、事案の区別を試みなければならない。このテクニックが法律家にとっては重要である(29頁)。

 こういったテクニックを身につけるためにも、基本書⇔判例の往復学習は重要である、ということでしょう。

 そして、判例だけでなく基本書の記述も乏しいような論点については、演習書に目を通すことを勧めておられます(26頁、宍戸先生)。また、新聞やテレビのニュース番組を通じて、憲法問題について意識をもっておくことも重要である、とされています(同)。

 憲法問題は法解釈でもって解決するわけですが、意外と、当該問題の背景にある常識的な基本知識の差が答案の出来栄えにもろに影響する科目だと思います。そこで、新聞、テレビでこうした基本知識を得ることも有効であると思います。

 そして、いざ、答案作成ということですが。最近は、問題について、原告の立場と被告の立場、そして、それをふまえてあなたの見解を・・・という形式で出題されることが多いと思います。それについては、松本先生考案の「ジグザク論証」で対応するのがよいでしょう(38頁)。

 「ジグザグ論証」というのは、答案構成のさいに当該事例の争点をめぐって、主張(原告側)→反論(被告側)→再反論(原告側)→再々反論(被告側)という順で憲法論を説く論法のことです。このうちの、再反論、再々反論のところを私見(あなたの見解)として組み立てるとよい、とされています。

 基本書を読み込み、判例を確認し、ときに新聞・TVでの知識を生かしつつ、ジグザグ論証すれば、「百戦殆うからず」というところでしょうか。

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