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カテゴリー「熊本公法研究会」の6件の記事

2017年12月10日 (日)

第6回熊公研。

 cloud。いまにも降り出しそう。

 きのう、第6回の熊本公法研究会を開催しました。熊本界隈の憲法、行政法研究者で細々とやっているこの研究会ですが、ついに、外部からの報告者にお越しいただけました。

Img_2607 第1報告は、日本大学の柳瀬昇先生。国民の司法参加の意義は、司法を民主主義的に正当化することではなく、法律専門家と国民との協働を通じたものとして司法をとらえることにあるのだ、という視点でのご報告でした。

 第2報告は、桐蔭横浜大学の茂木洋平先生。アメリカ合衆国の最高裁におめるアファマティブ・アクションの司法審査基準の推移を丁寧にご報告いただきました。

 第3報告は、早稲田大学の小池洋平先生。奴隷制擁護論者G. Fitzhugh の議論を参照しつつ、「奴隷制」というもののネガティブな直観に異を唱えようとする刺激的な報告をいただきました。

 すでに学界でも名をはせている先生、そして、気鋭の先生のご報告を熊本で聴けるとても充実した研究会になりました。

2017年10月 7日 (土)

第5回熊公研。

 sun ひさしぶりのブログです。

 きのImageう、第5回熊本公法研究会をしました。報告者は本学の德永達哉先生で、テーマは「難民問題と憲法」。わが国の難民条約上の義務から説き起こし、難民認定手続等における「憲法の要請」を探るもの。国民国家というもののの根幹に関わる問題まで視野にはいる報告でした。

 そのあと、大学近くの「いわ幸」さんで懇親会。もともとこの研究会は、懇親会メイン。懇親会だけだと学者っぽくないので、一応、勉強してからということになっています。

 いつも、大学の状況とかいまの学問的興味関心とかプライヴェートなこととか・・・。きのうは「自動車運転免許と家族の意義」(?)みたいなことまで。

 たまたま同時期に熊本にいる憲法、行政法の学者が集まって情報交換するための研究会も、何とか5回まできました。次回は、ついにゲストスピーカーまで来ていただけるようで楽しみです。

 

2017年5月31日 (水)

第4回熊本公法研究会。

Img_1941 きのう、第4回目となった熊本公法研究会(略称、「熊公研」)が開催されました。

 今回の報告者は本学LSで行政法を担当する2名の教員。お題は百選担当判例の検討でした。具体的には、

 第1報告:地方議会議員の懲罰と司法審査に関する最大判昭35・10・19(民集14巻12号2633頁)の検討。これ、憲法判例としても有名ですよね。部分社会の法理のところで。地方議会議員の出席停止の懲罰には司法権が及ばないというもの。本件裁判書中には除名処分の場合には司法権が及ぶ旨の先例引用がある点、学生諸君も確認してください。

 第2報告:対潜水艦戦作戦センター(ASWOC)の設計図及び建築申請の資料公開請求に関する最2判平13・7・13(訟月48巻8号2014頁、判自223号22頁)。那覇市情報公開条例に基づく公開請求で一旦は非公開となったものが異議申立により取り消されたので、国がその取り消しを求めて出訴したもの。防衛上の秘密云々・・・というところもあるのでしょうが、最高裁は、本件を「法律上の争訟」(裁3条1項)として認めたものの国の原告適格性(行訴9条)は否定する、という結論にいたっています。「法律上の争訟」の第1要件(原告に具体的な権利、利益の損害が認められること。主観争訟性)と行訴法9条のいう原告としての適格性の関係とか、いろいろ考えました。

Img_1945 ということで、研究会終了後は、恒例の懇親会。指導教官や関係者の退官なり、古稀なりの論文集、献呈式なんかが話題になりました。

 そうそう、平日ということもあり、わたしは、研究会を中座して別の全学会議に出席し、そのあと、また研究会に戻るという・・・ ああ、大学では研究だけ(と、学生と話すだけ)でよかったらいいのに・・・ よく考えたら、会議より勉強の方が重要だったなぁ、と・・・、優先順位を間違えたか。それでも、お役目からして、全学会議に出ないわけにはいかなかったか・・・

2017年2月 7日 (火)

第3回熊本公法研究会。

 sun。あいかわらず、わが社は試験期間中。

 きのう、第3回熊本公法研究会を開催しました。

 Img_1532報告者は、本学LSの中嶋直木氏。テーマは「地方自治体の『国政参加』論再考(のための構想)」でした。昨年末に論文にしようとしていたものの「力尽きた」といわれていましたが、それもそのはず、「地方自治の本旨」に迫ろうとする大作の予感がする報告でした。

 わたしの思考など、拙著にもあらわれている通り、「地方自治権の本質」(固有権説、伝来説、制度的保障説というあれ)や「地方自治の本旨」は「住民自治」と「団体自治」にわけられ・・・とかいう「昭和か!というところで止まっているので、行政法の最先端のお話しはついていくのに精一杯でした(トホホ)。

 きのうの報告を聞いて、伝統的地方自治論(地方自治を目的ととらえる)を踏まえた上で、近年論じられている機能的地方自治論(地方自治を手段ととらえる)を経て、国・地方が協働して統治にあたる近未来の構想のようなものを感じました(わたしの感想です)。

 Img_1535そのあとの懇親会beer。この研究会は、その名が示しているように、熊本に在住の憲法学者、行政法学者からなる研究会なのですが、憲法学者側から「行政法は緻密な議論だなぁ~」との感想があり、わたしも、その通りだと思いました。LS時代になり、憲法学も随分と「地に足の着いた」ものになりつつあるとは思うのですが、わたしなど、学生時代に実定法の勉強に挫折した部類なので・・・、こうした研究会を通して、少しでも緻密な議論ができるようになりたいと思います。

2016年9月16日 (金)

第2回熊本公法研究会

 cloud。まだ暑い。

 きのう、第2回熊本公法研究会を開催しました。

 この研究会の立ち上げの趣旨、第1回研究会の様子は、こちらをご覧ください。

 第1回熊本公法研究会

 で、きのうの第2回研究会では、崇城大学の清水潤先生に「アメリカ史における『憲法上の権利』とコモン・ロー:19世紀後期を中心に」というテーマで、研究報告していただきました。

 アメリカ憲法はイギリス憲法の思想を継承していたので、制憲期には、「憲法上の権利」に関する議論に欠けていたこと(一定の権利、利益が保護されることは自明だったので)。成文憲法の中心は連邦制国家のあり方、連邦権限の限定にあった。

 そして、そこでの法思想もコモン・ロー中心に形成されていたけれども、工業化・産業化をうけ、しだいに人が法を作る思想(デモクラシー)に重心が移っていった。

 また、南北戦争後、戦争に勝った北部側は南部の旧奴隷の権利を連邦権限つかって保護しようとしたために、州に対する連邦権限が増加していったこと。

 ということで、次第に憲法もふくめ成文の法の存在感が大きくなっていったこと。

 うまくまとめられてはいませんが、これらのことを勉強しました。清水先生は、お若いながらも、アメリカ憲法思想史の研究では第一人者といっても過言ではない方。熊本にもこういう研究者がおられるということに感銘をうけました。

 きのうは、鹿児島大学からも聴講者が出たので、熊本公法研究会ならぬ「南九州公法研究会」となりました。

 そのあとは、懇親会beerwinebar

 そこでは、憲法学者の「世代」の話になりました。憲法学者の世界では「55年組」というひとつの「世代」があります。偶然か、1955年に生誕された憲法学者には、大きなお名前の先生が多いのです。

 で、わたしの「世代」はというと、実は、バブル期で大学院にまで進む人が少なかったので(就職できたので)、あまり研究者になっている人がいません。ただ、1965年から1970年あたりに生まれていま50歳か少し下の先生方をみると、昨日の懇親会での話題にもなりましたが、憲法を哲学的に探究するところからはじめた先生が多いようにも思います。わたしが研究者の道を歩み始めた頃、英米の規範的正義論が、一種の流行期にあったと思いますので。

 かくいうわたくしも、ジョン・ロールズの正義論から研究をはじめました・・・。そんなときもあった・・・(遠い目)。

 いまはどういう傾向にあるのでしょうか。法学が実務よりに傾斜しはじめて久しい現在、きのうの清水先生のような歴史に根ざした憲法研究の意義は非常に大きいと感じました。

 

2016年3月 2日 (水)

第1回熊本公法研究会。

 sun。春めいてきました。

 先月末の2月28日(日)に、第1回熊本公法研究会を開催しました。

 この研究会を立ち上げた切っ掛けについては、昨年10月31日のこのブログをご覧ください。

 → 2015年10月31日の五高日記

 まぁ、それからじりじり時間が経っていってしまって、このままでは、研究会旗揚げの話も萎んでしまうと思い、不十分ながら、わたしが、1人目の報告者を務めさせてもらいました。

Dsc_3477 まぁ、わたしが1人目なら、この研究会での報告もあまりハードルの高いものではない、と感じてもらえるとも思ったので。報告のテーマは「進行中の公訴時効の遡及的廃止と憲法」で、つい最近公表した判例評釈をもとに論説を書くなら、あとこんなところを勉強しなければならない(という意味で「設計図」)という感じの報告をさせてもらいました。これでは「研究報告」とは言えませんね(笑)。「これから研究します報告」(笑)。いま受注している論文が終わって、心に余裕があったら、論説にしたいと思います。

 当日は、もう一人、本学LSの中嶋直木先生に「(公)法学における『機能』的思考とは」という報告をいただきました。

 ということで、この新研究会の「機能」について、考えてみました。

 まず、第1に、熊本地区にいる公法系研究者の親睦を深めることがあげられます。大学こそ違えども、また、いつまでいるかわからないとはいえ、いまこの時期に熊本で憲法、行政法を講じている研究者が、ただ飲み食いするだけでなく(飲み食いもするのですが)、アカデミックな会話ができる場をもつというのは、非常に意義深いと思います。ささやかながら、学問の発展にも寄与できるのでは・・・

 第2に、研究大学(自称)のわが社にとって、インターカレッジの研究会をもっていることは、その最低限の要件ともいえるでしょう。大規模な研究会とはなかなかいきませんが、それでも、細々とでも研究会を継続的開催できれば、きっとわが社の研究力、教育力の向上にも繋がると思います。

 そして、第3に、院生を教育する場ともなると思います。地方大学なので、いわゆる伝統ある大学での研究会への参加は、距離的にも心理的にも、ハードルが高い。でも、自校の研究会でなら、すこしは気楽に報告もできるというもの。また、指導する側からすれば、最低限、この研究会で報告できるくらいには能力を高めさせて修士論文や研究論文を書かせるという目標もできると思います。

 まだまだこの研究会の効用はあると思いますが、きょうのところは、このくらいで。いずれにしても、研究会をはじめよう、はじめよう・・・という意思を、参加していただいた諸先生のおかげでとりあえずでも形にできたのは、よかったと思います。滑り出し、好調! っていうところでしょう。

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