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カテゴリー「熊本大学法学部」の1件の記事

2020年2月15日 (土)

退職記念。

 本年度、熊本大学法学部では、3名の先生が定年退職をむかえます。きのうは、そのうちのお一人の退職記念講演会がありました。

 演題は「民法学との出会い、振り返ってみれば・・・」。実に興味深いお話でした。

 まず、そもそも精緻な解釈論を展開する先生なのに、学部時代は文学にいそしまれていたとのこと。また、卒論では戦後のわが国の農地政策を踏まえて、以降のわが国の食糧自給政策を見据えた農地所有権の問題を検討されたということ。さぞや初々しい論文だったことでしょう。

 また、修士課程までは農地法を検討され、博士課程に行く段階で、農地貸借権が「弱い」権利であるのはそれが「債権」であるというところから「債権/物権」の違いに着目して研究をされたこと。その過程でフランス法にも触手を伸ばされていったことがお話されました。

 わたしのような、もはやロートルにとってもワクワクするお話で、こういうお話は、ホント、若い学生に聞いてもらいたかったと思いました。

 その後、大学に職を得られてからは、名誉・名誉感情の問題を深く検討されることになります。ここはわたしも知っていました。ただ、民事の名誉毀損の方が刑事のそれより、成立要件が厳しいと思われることなど、新しい知見にもふれることができました。まさに、学者として現役のうちに定年を迎えられたことが惜しまれます。

 ところで、この先生も含め、退職されるもうお一人も、本学の法科大学院を支えた先生。共に研究科長を務められたということもありますが、そうではなく、LS生のことを思い、教育的に支えた2人の先生です。LSを巡る環境は・・・(以下、自粛)ですが、それでも、このお二人あっての本学法科大学院であったと思います。形式的には昨年度末で在校生がいなくなりましたが、これで、名実ともに本学法曹養成研究科が消滅した、という感を昨日は受けました。

 さて、退職を迎えるもう一人の先生は、法学部長を長らく務めたあと、全学で副学長・理事を務められている先生です。わたしが本学に赴任したときの部長先生ということもあり、以来、大変、お世話になっています。全学に籍を移されてからも、法学部のことを常に想っていただいていた、法学部の「巨星」です。本年3月、法学部は大きな先生を失うことになります。

 という感じの惜別感ある土曜の朝を迎えております。

 

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